SOAを実現するには,IT基盤を支える無数の製品群,目的やエントリーポイントを明らかにするアプローチ,実装のための構築手法などが必要になる。SOA World 2007の基調講演でマイケル・リボー氏が発表した「Smart SOA」は,SOAに求められるこれらの要素を体系化したものであり,SOA World 2007の最も注目すべきメッセージだったと言える。Smart SOAによって規模の大小,組織の現状,SOA化の目的に応じて具体的なソリューションが提供されるからだ。
「IBMはこの数年年2回のペースで,SOAについて重要な発表を行ってきました。SOA World 2007ではSmart SOAが発表され,今回のラスベガスのIMPACT 2008ではその発展形が示されることになります」と,日本IBMのソフトウェア事業 プログラム・マーケティングでSOAを担当している土屋佐知子氏は語る。その鍵は,IBMが実践しているSOAプロジェクトの実績にある。
昨年秋の時点でIBMが進めていたSOAプロジェクトの数は5,700。それが現在は6,600まで増加しているという。「SOAプロジェクトはお客さまとともに進めていくもので,どれだけ実践を経験してきたかどうかが大きな差になります」と土屋氏が指摘するように,あらゆる形態が想定されるSOAの構築にあたっては,机上の空論ではなく,実践を通してどれだけノウハウやスキルを蓄積してきたかが大きくものをいう。
IBMでは,数多くのプロジェクトを通して蓄積したノウハウやスキルをSmart SOAに取り入れ,さらに進化させている。それがIMPACT 2008で発表される「Smart SOA The experienced Approach」だ。
“experience”とは「経験や実績」という意味であり,「Smart SOA The experienced Approach」は,“経験や実績に裏づけられたSmart SOA”という意味合いになる。グローバルに展開されている6,600のプロジェクトを通して蓄積したノウハウやスキルを,メソドロジー(方法論)やアプローチ,テンプレートという形で充実させ,それを体系化したものが「Smart SOA The experienced Approach」ということになる。
土屋氏は,「特に重要なのが業種に特化したテンプレートの充実です。業界特有の業務プロセスは企業が異なっても共通です。テンプレートという形で標準化し,それを横展開することでお客様にメリットを提供することが可能になるのです」と語る。現場で培った経験を他の現場に活かすことで,SOAをより迅速に実現することができるようになるというのだ。
昨秋発表されたSmart SOAでは「ビジネス戦略とITインフラの連動」を前提としたSOA実践のためのエントリー・ポイントが紹介された。今春の発表では,それを実現するための具体的な製品体系を整理し,エントリー・ポイントごとの事例の数々や,蓄積されたノウハウを共有し世界中のプロジェクトで活用できるプログラムなどの充実がはかられている。こうした拡張部分をとりまとめててSmart SOAを進化 させたのが「Smart SOA The experienced Approach」なのである。
ラスベガスで開催されるIMPACT 2008では,日本のユーザー企業3社を含む230ものユーザー企業からSOAの導入事例に関する講演が行われる。計500以上のセッションからなり,「Smart SOA The experienced Approach」の全貌をはじめ,SOAの最新事情が明らかにされる。
それを受ける形で5月16日に日本で開催される「IMPACT JAPAN SOA CONFERENCE」でも,エントリーポイント,開発手法,IT基盤設計,業務プロセス,業種特化ソリューションなど幅広いセッションが用意され,ラスベガスで講演する2社を含む日本のユーザー企業3社からSOA導入事例の講演が行われる。
「SOAは確実に“実践”という次のステージへ進んでいます。IMPACT JAPAN SOA CONFERENCEでは,SOAのメリットをユーザー企業の声を通して実感していただけるはずです」と土屋氏は語る。「SOAによってどんなメリットがもたらされるのか」という疑問を抱いて躊躇しているユーザー企業にとっても,有益な情報を得ることができるだろう。
また,SOAの構築には多くのパートナーとの連携が必要になるが,「IMPACT JAPAN SOA CONFERENCE」ではパートナー向けセッションとして「SOAパートナーミーティング」が用意されている。ユーザー企業にSOA構築を提案しようと考えているIT企業にとっては,自社ビジネスの新たな展開を探る絶好の機会になるのではないだろうか。








