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【第5回】  「グリッド・コンピューティング

図1 グリッド・コンピューティングの拡大
プロセシング・グリッドから始まったグリッド・コンピューティングは,ビジネスグリッドへと拡大しつつある
 
 ネットワークで接続した複数のコンピュータを仮想化技術によって均一化し,仮想的な大型コンピュータとして利用できるようにしたコンピューティング環境のこと。語源は,複数の発電所からなる電力網(power grid)。電気は,どの発電所で発電されたか,動力は火力か原子力か,といった背景を意識せずとも,電気という資源に均一化される。グリッド・コンピューティングもその名の通り,どのマシンにどの処理を割り振るかを意識せずに使えるよう,異機種・異種OSのヘテロなコンピューティング環境をWebサービスの集合として仮想化する。

 用語として登場したのは1990年代後半だが,その起源は計算量が膨大な科学技術計算を必要とする企業や大学の研究機関が構築してきた大規模クラスタにある。多数のコンピュータによる大規模クラスタは,古くから大型コンピュータを実現する手法として使われてきた。この大規模クラスタの構築・運用・連携の各手法を標準化したコンピューティング環境を目指そうという動きのなかから,「グリッド」の呼び名が生まれてきた。

 現在,グリッド・コンピューティングにおける資源の連携やインタフェースについては,標準化団体のGGF(Global Grid Forum)が標準化を進めている。システム間連携の標準として策定が進むWebサービス関連の仕様を土台に,グリッドに対するジョブの投入や認証といった枠組みを順次標準化していく予定だ。

 標準化のめどがついたことから,企業の業務に使える大型コンピュータを安価に作り出す技術,いわゆるビジネス・グリッドの実用化の動きが加速している(図1)。例えば企業内の遊休パソコンの資源を使い,CADやCAMの計算に使う。また,ブレード・サーバーやデータ・センターに処理を動的に割り振ることで,性能や可用性の向上を図る。

 





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