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東京証券取引所(東証)では、国際的な競争力向上に向けた取り組みとして、「自主規制機能の強化」と「ITの戦略的活用による市場インフラ整備」の2点を推進している。後者の中核となるのが、現在構築作業が進められている次世代システムだ。
東証のCIOを務める鈴木義伯氏は「新システムでは、安全性/拡張性、高速性、柔軟性、堅牢性などの項目において、様々な目標を掲げています」と説明する。例えば高速性では、注文受付のレスポンスを10ミリ秒以下、約定通知のレスポンスを40ミリ秒以下といった具合に、具体的な数値目標を掲げている。
これと並行して進められているのが、セカンダリ・サイト構築に向けた取り組みだ。「2006年10月に、日本証券業協会BCPフォーラムより『取引所の継続に重大な支障を及ぼすリスク/事象への対策が必要』との報告がありました。そこで東証としても、市場の安定性向上を図るため、バックアップ用のセカンダリ・サイト構築を推進することとしました」と鈴木氏は語る。セカンダリ・サイトの稼働は、次世代システムと同じ2009年度後半を予定。また清算システムについては、日本証券クリアリング機構が2008年にバックアップ・システムの稼働を予定している。
インシデント発生時の業務復旧は、各業務によって異なる目標が設定されている。まず売買約定業務は、取引日を空けず24時間以内と設定。情報提供業務は、売買約定機能の回復後すみやかに回復とされている。また清算業務については、決済繰り延べが生じないよう2時間以内に復旧とされている。
「セカンダリ・サイトの立地条件としては、インフラとしての機能が完備していること、同時被災リスクを回避できること、要員の駆けつけ対応が可能なことなどが挙げられます」と鈴木氏。これを満たせることを前提に、プライマリ・センターから30〜50km圏で施設を選定中とのことだ。
システム復旧の順番については、まず清算システムを先に再開し、その後に売買システムを再開する予定である。これは「証券業界ではT+3の決済形態を取っているため、なるべく早く清算を行わないと社会的影響が大きい」(鈴木氏)との理由によるものだ。データ・バックアップの方式なども、約定データの欠損を可能な限りなくす方針で臨んでいる。
ネットワークについても、リング状の統合ネットワークを新たに構築。証券会社などの利用者が複数のアクセス・ポイントに接続することで、回線障害などによる被害を防ぐようにする。鈴木氏は「現在はまだ計画を進めている段階ですが、こうした取り組みを通じて日本の証券市場の価値向上に貢献していきたい」と語った。 |
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