![]() |
![]() 2008年6月にSaaSビジネスへの参入を宣言した日本ユニシスが,次世代IDC(Internet Data Center)基盤を構築し,いよいよ10月からサービスを開始した。最先端のテクノロジーを惜しみなく投入した次世代IDCでは,巨大なICT(*1)リソースが統合化・仮想化され,さらにはデータセンタそのものの運用が“自動化”される。SaaSを活用する企業に対して,必要なときに必要な分だけICTリソースを提供できるだけでなく,システムの構成や変更にほとんど手間がかからない。これを実現するのは,最新のRBA(Run Book Automation)技術(*2)を搭載したHP Software製品である。
![]()
日本ユニシス株式会社
ICTサービス本部 基盤開発部長 廣田 博美 氏 日本ユニシスは,2008年6月にSaaS(Software as a Service)ビジネスへの参入を表明し,まったく新しいIDC基盤を構築した。キーワードは,データセンタにおけるすべてのICTリソースの“統合化と仮想化”,そして“運用の自動化”だ。 「最高のサービスを用意するために3年かけましょう,という時代ではありません。その時点で手に入る最良のテクノロジーを組み合わせて,より価値の高いサービスをタイムリーに提供していく。これがICTサービス本部のコンセプトです」ICTサービスの基盤開発を指揮する廣田部長は,次世代IDC基盤構築プロジェクトのスピード感をこのように表現する。 ICTサービス本部は,業種ごとに先鋭化された事業部門に横串を通す戦略的な組織として,2008年4月に編成された。 「ICTサービス本部のミッション,そのひとつはSaaSビジネスの推進です。所有から使用へ,システムやアプリケーションの導入方法が変化する中で,いち早くサービス・インテグレーションの事業モデルを確立することを目指します。また,システム・インテグレーションの延長にあるホスティング/ハウジング事業を大幅に強化する狙いもあります」と廣田部長は語る。 日本ユニシスが得意とするミッションクリティカルなシステム構築と運用サービス。ここに,ソフトウェアをオンライン・サービスとして提供する“SaaS”が加わることになる。しかし,SaaSモデルを標榜するライバルは多い。 「競争優位のポイントは次世代IDC基盤にあります。サーバやストレージ,ネットワークなど統合化・仮想化されたICTリソースを,お客様が必要な分だけご活用いただけることはもちろん,お客様からご依頼いただいて24時間以内に利用可能にすることを目指しています」(廣田部長) サーバ,ストレージ,ネットワーク――それぞれの仮想化技術の成熟はめざましく,企業システムへの導入も急速に進んでいる。しかし,すべてを組み合わせた大規模な商用アプリケーション・サービスは見当たらない。しかも,24時間以内に必要なICTリソースを準備するという革新的なサービスだ。廣田部長はさらに続ける。 「このスピードを実現するのが“自動化技術”です。ビジネス要求に応じて短期間でアプリケーションを立ち上げる。繁忙期と閑散期で大きく変動するICTリソースへの要求に柔軟に適応する…。私たちのサービスは,自動化技術を駆使することで,こうしたニーズに誰よりもスピーディに,誰よりもリーズナブルにお応えすることができるはずです」 日本ユニシスが次世代IDC基盤に採用したのはHP Software。手作業による運用を標準化・ワークフロー化して自動化を進め,IT運用の効率性を飛躍的に高める技術「RBA(Run Book Automation)」を実装した管理製品として注目されている。 ![]()
日本ユニシス株式会社
ICTサービス本部 チーフスペシャリスト 森 駿 氏 仮想化されたサーバリソースの複数ユーザへの動的な配分は,技術的にはすでに確立されている。しかし実際の現場では,サーバの増設や構成変更だけでなく,ストレージやネットワークのアドレス書き換えなども手作業を伴うケースがほとんどだ。 「次世代IDC基盤では,HP Softwareによって運用の大部分を自動化し,現場での手作業とそれに係る人的ミスを徹底的に削減します。具体的にはICTリソースの切り出し,そしてイベントやインシデントへの対応を含む日々の運用業務から適用します」とICTサービス本部 チーフスペシャリストの森氏は語る。 次世代IDC基盤に採用されたHP Software製品は3つ。「HP Operations Orchestration」と「HP Server Automation」,そして「HP Network Automation」である。 「HP Operations Orchestrationに運用手順をスクリプトとして記述することで,障害への対応,サーバの構成変更,保守業務などのプロセスを自動化します。これら,定型的な業務を中心に自動化し手作業を排除するのです」(森氏) 「“手順を自動化できる”ことが最大のポイントです。運用手順は,ミッションクリティカルなシステムを長年運用してきた私たちのノウハウの結晶ですが,次世代IDC基盤運用の新しいノウハウが加わってさらに磨き上げられていくでしょう。しかもこれは,コンピュータで管理された私たちの資産になります。ここから,お客様へ提供できる新しい価値の創出が可能になるはずです」(廣田部長) 一方,HP Server Automationは,サーバのライフサイクル全体を通して変更管理プロセスを自動化するツールである。森氏は例をあげて説明してくれた。 「たとえば仮想サーバ環境でリソースを増強するようなケースでは,管理者がプルダウンメニューからコア数やメモリなど必要なリソースを選択していくと,HP Operations Orchestrationに記述された手順に基づいて,サーバからストレージ,ネットワーク,アプリケーションまで,物理的なプロセスが自動的に再構成されるイメージです」 仮想サーバの作成/メモリやストレージの割り当てには専用のツール,OSやパッチには別の配布ツール,さらにアプリケーションのインストールツールなど…。一般に,仮想サーバ環境の構築や変更には複数のツールを使い分ける必要があるが,HP Server Automationを使えば一気通貫で行うことができる。HPの調べでは,HP Server Automationによって構成変更にかかるプロセスの90%以上が自動化可能だという。 同様にHP Network Automationでは,マルチベンダのネットワーク機器を対象に構成管理・変更管理を高度に自動化できる。 「障害の発生から復旧までのプロセスも自動化により大幅に効率化できます。まず,機器や監視ツールから上がってきたインシデント情報をHP Operations Orchestrationに集約します。そこで障害の重要度判定・診断を行いオペレータに通知。あらかじめ用意された手順に従ってアクションを自動実行するのです」(森氏) たとえ障害の解決手順をルール化していても,重大な障害が発生すると冷静な対処は難しい。些細な人的ミスが二次障害に結びつくこともある。こうした事故も,自動化によって防ぐことができるわけだ。 サーバからストレージ,ネットワーク製品まで,データセンタ内のあらゆるICTリソースを統合化・仮想化し,その運用を自動化できること――これが,日本ユニシスが取り組む次世代IDC基盤の競争優位を確かなものにしている。 データセンタの包括的な運用自動化は,SaaS事業者のみならず大規模システムを擁する企業の共通したテーマだ。調査会社のレポートでは,HP Softwareはサーバ,ストレージ,ネットワークそれぞれの自動化で最高の評価を得ているだけでなく,“データセンタ自動化”においてもマーケットリーダーと認識されている。 「私たちは,“データセンタ全体の運用自動化”で業界をリードしていると自負しています。ITリソースを柔軟に使い分ける機能と,ミッションクリティカルな要求に応える信頼性を備えるという意味で,次世代IDC基盤はメインフレームの優れた資質を継承していると言えるかもしれません」(廣田部長) 「データセンタ内の膨大な機器類の状況も,運用のプロセスも,HP Softwareからすべて見通すことができます。この優れた可視化の能力を備えているからこそ,データセンタ全体の自動化が実現できると実感しています」(森氏) 日本ユニシスは,すでに次の目標も見据えている。 「世界中にあるデータセンタの空いているリソースを,必要なとき必要な分だけ借りて,東京からリモートで環境を構築し,私たちの手順で運用することを構想中です。データセンタそのものを仮想化されたICTリソースと見立てるわけです。クラウド・コンピューティング実現のひとつの方法論となるでしょう」(廣田部長) データセンタ運用の自動化から,クラウド・コンピューティングへ。日本ユニシスの新しい発想がHP Softwareのポテンシャルを引き出し,新しい競争力を生み出していくに違いない。 (*1)ユビキタス技術の発達によって,人と人,人とモノとの情報のやり取りが活発化してきたことから,従来のIT(Information Technology)に「Communication」を加えた情報通信技術の総称。
(*2)「RBA(Run Book Automation)」は,手作業によるICTインフラ運用を標準化・ワークフロー化して自動化を進め,運用の効率性を飛躍的に高める技術。単純作業による運用負荷の軽減,ヒューマンエラーの削減,サービスレベルの向上やコンプライアンスへの合致,運用コストの低減など広く効果が期待できる。
日本ユニシスの次世代IDC基盤上では,複数の事業者が様々なアプリケーション・サービスを提供することになる。事業者から見れば,日本ユニシスの「クラウド基盤サービス」を活用するという構図になるわけだ。これまで,グーグルやアマゾン,セールスフォースといった米国勢がリードしてきたクラウド・コンピューティングだが,日本でも一気に加速していくことになりそうだ。
●Intel,インテル,Intel ロゴ,Intel Inside,Intel Inside ロゴ,Xeon,Xeon Inside は,アメリカ合衆国およびその他の国における Intel Corporationの商標です。
●記載の社名,製品名は各社の商標または登録商標です。 |
|
|
||||