IT Pro Special : ポストリレーショナルデータベースで実現する最新活用事例 CACHE

事例紹介 浜松医科大学付属病院

木村 通男氏
浜松医科大学 教授
附属病院 医療情報部長
附属情報処理センター長
木村 通男氏
浜松医科大学附属病院は、国内の他の病院に先駆けて、医療情報のシステム化に先進的な取り組みを続けてきたことで知られる。2002年1月には、オーダシステムを中心に、いくつかのサブシステムからなる病院情報システムを8社のマルチベンダー環境で構築した。そのサブシステムである臨床情報検索システムにおいて「Caché」を採用。臨床現場で求められる複雑な医療情報の管理と、複合条件による大規模データの高速検索を実現している。

複雑な臨床情報の検索を実現するためにCacheを導入
 浜松医科大学附属病院の臨床情報検索システムは、患者基本情報、処方、病名、検査、入院などのオーダデータを保存、蓄積し、検索を可能にすることで、医療支援を行うものである。情報の登録は、病院システムの中心となるオーダシステム側で行われ、そちらでも検索自体は可能となっているが、患者をキーにしてそれぞれのデータの参照を行うという比較的単純なものだった。また、オーダシステム側では、パフォーマンスの問題から約1年分のデータの蓄積が限度となっていた。
 これに対し、臨床側からは、1年といった期限を設けることなく、過去のすべてのデータから必要な情報を瞬時に取得できるシステムが求められていた。また、患者をキーとした単純な検索ではなく、病名や薬品、検査結果などの複合的な条件による検索機能も望まれていたのである。臨床情報検索システム構築の背景にはこうしたニーズがあった。
 システムの構築にあたっては、同病院が1996年以来、実験的に医療情報交換の標準プロトコルであるHL7(Health Level 7)によって蓄積してきた33万人もの患者についての処方、検査、病名登録などのデータをデータウエアハウス化し、これら全データを検索対象に複雑な条件による高速検索を実現するシステムの構築を目指していた。そして、システムの中核となるデータベースとして採用されたのが、インターシステムズの「Cach
é」だった。
 Cach
éを採用した経緯について同病院医療情報部長を務める木村通男・浜松医科大学教授は、「当初より、臨床情報のようなデータは階層構造を持って表現されるべきであり、それを管理するにはオブジェクト指向データベース(ODBMS)が最適と考えていました。しかし、実際にあるODBMS製品を利用してみると、思ったようなレスポンスが得られないという問題がありました。そこで開発にあたったNTTデータ東海 公共システム部営業担当者に相談したところ、こうしたデータ管理手法と高速レスポンスが両立できるデータベースとして勧められたのが、Cachéでした」と語る。つまり、Cachéの多次元データベースエンジンと高性能が決め手となったわけだ。

最も高度な検索機能と高速レスポンスを実現
 臨床情報検索システムの具体的な構成だが、WebサーバーとしてNECのPCサーバーExpress 5800/140×1台が置かれ、その上でWindows 2000がプラットフォームとして稼働する。Cachéは、DBMSとして病院内の基幹ネットワークに接続されている。データの流れとしては、情報登録が行われるオーダシステムから臨床情報検索システムへ、夜間にFTP経由で前日分の患者基本情報、処方や検査データ、検査項目、病名、薬品名などのデータをHL7形式で送信し、それを臨床情報検索システムでCachéへと展開する。こうして蓄積されたデータに対して、Webクライアントからのリクエストで検索処理を実行する。
 すでに述べたように、この臨床情報検索システムの最大の特長は、複雑な条件による検索を可能にしていることだ。具体的には、検索条件として、患者基本情報、処方・検査の分類、薬品名、検査項目名、病名の各選択項目をAND/ORによって複合的に設定できる。さらに、選択項目については測定値、結果値の範囲指定や薬効成分の中間分類項目も対象となるという詳細なものだ。これにより「たとえば、ある高脂血症の薬が肝機能障害を引き起こすことが明らかになったようなケースで、『何らかの高脂血症剤を投与したことがあり、GOTが特定の値以上になって、肝機能に障害を起こした経験のある患者』といった、複雑な条件による検索が可能」(木村教授)となる。
 そのレスポンスは非常に高速で、この例にあるような条件ならば、過去7年分のデータすべてを検索しても、およそ10秒以内には結果が返ってくるという。これに関し、木村教授は「他の一般的な病院のシステムであれば、晩に検索を開始して朝に結果が得られるといったところです。こうした形の複合検索と高速なレスポンスを実現しているシステムは、国内でも当病院だけです」と胸を張る。言うまでもなく、こうした高機能、高性能の裏付けとなっているのが、システムの中核にあってデータ・アクセスを担っているCach
éにほかならない。

浜松医科大学付属病院の診療支援システム概要図


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CACHÉ FORUM 2003 レポート


浜松医科大学附属病院
株式会社パルタック
慶應義塾大学メディアセンター

■Cachéのテクノロジー

eアプリケーション用のポスト・リレーショナル・データベースであるCachéは、刻一刻と過酷になるWebアプリケーションの要求に対処できるよう最適化されています。また、大規模なWebアプリケーションに画期的な性能を発揮します。最新のオブジェクト・テクノロジーに支えられた高速アプリケーション開発環境は、Internetスピードによる開発作業を可能にします。Cachéの超高速SQLは、リレーショナル・システムの20倍の性能を誇り、そのマルチディメンショナル・アプリケーションやデータ・サーバーは電光石火のスピードで機能します。


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