CPUが処理した結果やユーザーが入力した情報はディスプレイに表示される。では、どのようにして画面表示は行われているのだろうか。Part5からはグラフィックスチップとグラフィックスメモリーの仕組みについて解説する。

 パソコン内の情報をディスプレイに表示するのは、図1左のシステム構成図にある「グラフィックス」の仕事だ。もう少し細かくいうと、この部分は「グラフィックスチップ」(以下、Gチップ)と「グラフィックスメモリー」(以下、Gメモリー)で構成される。Gチップは「グラフィックスアクセラレーター」や「ビデオチップ」、Gメモリーは「ビデオメモリー」「ビデオRAM」「VRAM」などとも呼ばれる。

図1●グラフィックスの構成は2種類ある
図1●グラフィックスの構成は2種類ある
システム構成図のグラフィックス部分は、グラフィックスチップとグラフィックスメモリーがあり、右図のように2種類ある。一つはグラフィックスチップが独立しているシステム、もう一つはグラフィックスチップがチップセットに内蔵され、メインメモリーを使うシステム。

 現在のパソコンでは、GチップとGメモリーは2つの方式で搭載されている(図1右)。一つは、チップセット(ノースブリッジ)の外側に「AGP」(後述)というインタフェースでGチップが接続され、その先にGメモリーが接続される構成。GメモリーにはDDR SDRAMなどが使われている。

 もう一つは、Gチップがチップセットに内蔵され、Gメモリーとしてメインメモリー(RAM)の一部を利用する方式だ。チップセット内部において、本来の機能とGチップ相当の部分はAGPなどで接続される。メインメモリーとして使えるRAMの容量は、Gメモリーとして消費された分だけ少なくなる。