広告や勧誘などのメールの数が少ないうちは一つひとつ削除していれば済むが,1日に数十通や数百通も届けば,その削除処理だけで時間がかかる。重要なメールがスパム・メールの中に埋もれてしまうかもしれない。こうしたスパム・メールにどう対処するかも,悩みの種だ。
スパム・メールの送信者は,受信者の都合を無視してメールを送ってくる。スパム・メールを届かないようにすることは事実上不可能なのである。
元から断つことができないなら,スパム・メールが届いたあとで対抗するしかない。具体的には,スパム・メールを読まずに捨てるのである。それも,人手に頼らず,自動化してしまおう。
自動化する方法としては,(1)メール・ソフトのフィルタを使う方法と,(2)プロバイダのフィルタリング・サービスを使う方法がある(図1)。
メール・ソフトでスパムだけ削除
では,実際にスパム・メールをメール・ソフトで自動的に削除する手順を見ていこう。メール・ソフトには,たいていフィルタという機能が備わっている。この機能を使って,スパム・メールを自動的に削除する。
Outlook Expressの場合,ツール・メニューからメッセージ・ルールのメールを開き,新規作成ボタンを押す。そして「1.ルールの条件…」とある項目で「件名に指定した言葉が含まれている場合」と,「2.ルールのアクション…」項目にある「サーバーから削除する」にチェックする(図2)。
さらに「3.ルールの説明」欄に表示された青字の「件名に指定した言葉が含まれている場合」をクリックする。すると新しいウインドウがポップアップしてくるので,そこにスパム・メールを特定するためのキーワードを入れる。例えば,件名に「未承諾広告」と書かれたメールをスパム・メールだと見なすときは,「未承諾広告」と入力する。これだけである。
こうすれば,Outlook Expressは,件名に「未承諾広告」が付いたメールをメール・サーバーからダウンロードせずに,サーバーから削除する。
ここでは単純な例を紹介したが,実際にはもっと複雑に条件を組み合わせてスパム・メールを指定することができる。例えば,送信者名やCC名,本文に含まれているキーワードなどを条件に利用できる。
また,フィルタ条件と一致したときにメール・ソフトが実行する処理も,メール・サーバーからダウンロードせずに削除するだけでない。メールをいったんダウンロードしてから,あらかじめ指定していたフォルダに移動させたりできる。最近はスパム・メールの自動振り分け機能を持つメール・ソフトも多い。
プロバイダ側でも削除
プロバイダも,フィルタリング・サービスを提供している。
こうしたサービスを使うには,ユーザーがWebページでフィルタ・ルールを指定するのが一般的である。プロバイダによって指定できる条件が多少異なるが,送信者やあて先,CC名,件名,メールの大きさなどを指定できる。
最近は,自動的にスパム・メールを振り分けるサービスを提供するプロバイダが多い。
削除条件はゆっくり広げていく
メール・ソフト,プロバイダ,どちらでスパム・メールを撃退するにしても,悩ましいのはスパム・メールの判別方法。スパム・メールすべてを完璧に処理しようとして,条件の幅を広く指定しすぎると,スパム・メールだけでなく,大切なメールまでも削除してしまうことになりかねない。
不安があるなら,削除するのではなく,別のフォルダに移動させるようにしておこう。そして,大切なメールがひっかからないことを確認できたら,メールを削除するように変更すればよい。