交通量に見合った道路を作ったり,工場の排煙を減らす高度なごみ処理施設を建設したりする,といった基本的な都市計画がなされていない,つまり「都市基盤」が整備されていなければどうなるか。道路は慢性的に渋滞しており,たどりつくだけで一苦労。街で交通事故が発生しても救急車が現場に到達することさえままならない。工場は排煙をまき散らし,深刻な大気汚染を引き起こす──。

 情報システムにも,同じことが当てはまる。豊富な機能を持つアプリケーションを開発することは確かに重要だ。だが,サーバーやストレージの性能や信頼性,ネットワークの回線速度などを無視していては,システムの品質を保つことは難しい。システム開発に携わるあらゆるITエンジニアにとって,システムの性能や信頼性などを左右する「システム基盤」の知識は不可欠だ。そこで本講座では,システム基盤を理解するための基本的な技術や用語から,実践的な開発方法論までを解説する。

Part1 「非機能要件」を左右するシステム基盤の理解が必須に 
Part2 トランザクション処理とターンアラウンド時間の実際 
Part3 キャパシティ・プランニングの進め方 
Part4 実践的なシステム基盤開発方法論 
Part5 情報処理技術者試験にチャレンジ