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日経BPガバメントテクノロジー・メール           第289号 2011/03/10
                                 http://itpro.nikkeibp.co.jp/govtech/
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┏━━━ 目 次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓

 【1】「ITpro 電子行政」ウェブ新着ダイジェスト
   ── 記者の眼
      共通番号は見えるが国民IDは目に見えない
   ── 電子行政:オピニオン/インタビュー
      行政による個人情報活用に対する住民の期待と懸念【前編】
   ── 電子行政:オピニオン/インタビュー
      行政による個人情報活用に対する住民の期待と懸念【後編】 
   ── 村上智彦の「夕張希望の杜」月報
      今月の「夕張希望の杜」(2011年1月)

 【2】電子自治体NEWSピックアップ
   ── クロスランゲージ、栃木県HPに自動翻訳サービスを導入
   ── アシストが自治体向けのOpenOffice.org検証サービス
   ── 三菱東京UFJ銀行とユーフィットが公金収納業務を支援する新会社を設立
 【3】コラム・上山信一の「続・自治体改革の突破口」
   ── 第109回 「大阪都構想」への誤解を解く(下)
 【4】セミナー&イベント
   ── 「平成22年度 社会情報流通基盤研究センター・シンポジウム
      ~くらしの情報化を支える-薬歴情報、番号制度、電子行政~」
 【5】編集後記/編集部からのお知らせ

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 【1】「ITpro 電子行政」ウェブ新着ダイジェスト
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◆記者の眼◆                                                      2011/03/09
共通番号は見えるが国民IDは目に見えない

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 政府が導入に向け準備を進めている「社会保障・税に関わる番号(共通番号)」制
度と「国民ID」制度。どちらもマスメディアに登場する機会が増えたことで、国民一
人ひとりを識別するために固有の番号を付ける制度の準備が進んでいることは広く知
られるようになった。では、共通番号と国民IDは同じものなのだろうか。違うとした
ら相違点は何だろうか。

◎全文はこちらでご覧いただけます
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/Watcher/20110307/358058/
◎バックナンバー
http://itpro.nikkeibp.co.jp/members/bn/bnsearch.jsp?OFFSET=0&MAXCNT=20&BID=10007

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◆電子行政:オピニオン/インタビュー◆                             2011/03/02
行政による個人情報活用に対する住民の期待と懸念【前編】

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 行政が住民の所得や納税実績、また年金などの社会保障に関する個人情報を一元的
に管理することを目的に、一意の番号を付与する共通番号制度について、導入に関す
る議論が政府内外で盛んになっている。国内に在住するインターネットのユーザー
(18歳以上の男女で、公務員を除く)の中から、ネット上で行政手続きを行ったこと
のある、または行う意思のあるユーザー、計1200人を対象にネットアンケート調査を
実施した。

◎全文はこちらでご覧いただけます
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20110222/357545/?ST=govtech
◎バックナンバー
http://itpro.nikkeibp.co.jp/members/bn/bnsearch.jsp?OFFSET=0&MAXCNT=20&BID=9823

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◆電子行政:オピニオン/インタビュー◆                             2011/03/07
行政による個人情報活用に対する住民の期待と懸念【後編】

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 【前編】では、ネットアンケート調査の結果を手掛かりに、共通番号(国民ID)制
度の導入や行政による個人情報の活用について、住民がどのように考えているかを
探った。依然として4割近くが「共通番号」の導入に反対であり、その理由の多くが
目的外の利用や第三者に情報が漏洩することなど、行政自身の個人情報の活用に対す
る不安や懸念が挙がった。【後編】では、こうした住民の意見の背景を分析する。

◎全文はこちらでご覧いただけます
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20110222/357546/?ST=govtech
◎バックナンバー
http://itpro.nikkeibp.co.jp/members/bn/bnsearch.jsp?OFFSET=0&MAXCNT=20&BID=9823

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◆村上智彦の「夕張希望の杜」月報◆                                2011/02/28
今月の「夕張希望の杜」(2011年1月) 

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 財政破綻した夕張市と共に破綻した夕張市民病院。その経営を引き継いだ「医療法
人 夕張希望の杜(もり)」の悪戦苦闘の日々を、村上智彦理事長が綴る
(2011年1月)。

◎全文はこちらでご覧いただけます
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20110218/357376/?ST=govtech
◎バックナンバー
http://itpro.nikkeibp.co.jp/members/bn/mokuji.jsp?OFFSET=0&MAXCNT=20&TOP_ID=292818&ST=govtech

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 【2】電子自治体NEWSピックアップ
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◎クロスランゲージ、栃木県HPに自動翻訳サービスを導入(2011/03/03、ITpro)
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20110303/357923/?ST=govtech
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◎アシストが自治体向けのOpenOffice.org検証サービス(2011/03/02、ITpro)
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20110302/357877/?ST=govtech
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◎三菱東京UFJ銀行とユーフィットが公金収納業務を支援する新会社を設立
(2011/03/01、日経コンピュータ)
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20110301/357792/?ST=govtech
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◎そのほかのニュースは
「ITpro 電子行政」(http://itpro.nikkeibp.co.jp/govtech/)へ

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 【3】コラム・上山信一の「続・自治体改革の突破口」
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第109回 「大阪都構想」への誤解を解く(下)

 大阪都構想は現行制度を根底から見直す案である。そのため、マスコミ関係者や地
元の事情をあまりご存じない識者の方々から誤解されることが多い。前回に引き続き
Q&A形式で解説したい。

●誤解その4
「大阪都ができると巨大な自治体が出現する。かえって非効率ではないか」

 都構想では、いったん大阪市役所と大阪府庁を合併させる。だが同時に地下鉄、バ
ス、水道、ごみ収集などの現業部門は別法人化する。東京都のように都営で地下鉄や
水道を直営管理する(非効率な)体制はとらない。

 大阪市営バスは路線別に各私鉄に事業譲渡する。先例は札幌市である。バス路線を
民間企業に移譲した。京都市もすでに民間のバス会社に業務委託をしている。もちろ
ん民間に任せた上でどうしても赤字が避けられない路線には補助金を出す。

 また現業部門の過剰設備は廃棄する。典型的にはごみ焼却工場である。大阪市は全
国でも最もリサイクル率が低い自治体のひとつである。シミュレーションをしてみた
ところ、大阪市内で横浜市並みにリサイクルが進めば、市内のごみ焼却工場が3つも
廃止できる(森之宮工場など)。

 水道も過剰設備を抱えている。これも大阪市と大阪府の経営統合で整理できる。た
とえば大阪市営の柴島浄水場は老朽化しており、運営コストがかさむ。これを廃止し
跡地を再開発すれば、更新費用も不要となり1000億円もの余剰資金を捻出できる可能
性がある。

 このほか、地下鉄は建設資金の償却が順調に進んでおり、民営化が十分に可能であ
る。東京メトロにならって株式会社化すればよい。

●誤解その5
「大阪市役所を解体して8~9の特別区を置くと区議会の運営でかなりのコストが
かかる。非効率ではないか」

 そもそも議員の数が増えると無駄なコストが増えるという考え方自体が間違ってい
る。区議会議員には数や報酬に見合った仕事をしてもらえばよい。各区の職員がいま
までやっていた仕事を議員が担うようになる。公務員の人件費が議員の人件費に置き
換わるに過ぎない。なお、市議会議員の数は現在89人だ。区議会ができると議員の総
数は増える。だが東京23区のように各区で30人から50人もの議員を置く必要はないだ
ろう。

 都構想は全体として膨大な行政コストの削減効果を生み出す。加えて広域行政の推
進による経済再生や大阪都民の所得の向上などの効果ももたらす。全体としての都構
想のメリットの大きさに照らすと、たかが区議会8~9つの運営に要するコストなど無
に等しい。

 そもそも大阪市を解体し24の区役所を再編成することで、公務員の数を2割は削減
できる。現在の大阪市役所は横浜や福岡に比べて人員数もコストも大幅に過剰であ
る。これを是正するだけで1000億円以上のコスト削減が可能だ。実際には現業部門は
別法人化するので、もっと減ることになる。

●誤解その6
「大阪都になった場合、都庁と特別区の間の財源調整がどうなるか不安だ。
国からの交付金も減らされるのではないか」

 都構想は、あくまで地域政党「大阪維新の会」が提唱している。大阪府庁、あるい
は知事が提案する行政機構の改革案ではない。財源調整や特別区の区割りなどの具体
的な制度設計は統一地方選挙を経て、「都構想は少なくとも検討の意義あり」という
民意が確認できてから着手すべき作業だ。府庁と市役所が連携した検討体制をつく
り、制度設計の専門家も交えた上で国とも協議しつつ作業を行う。そうした作業がま
だ始まっていない段階で心配しても仕方がない。

 ちなみに現行の地方自治制度や地方財政制度、地方交付税交付金制度を前提に、
「大阪都構想では財源不足に陥る」といったネガティブキャンペーンを行う向きがあ
る。しかし大阪都構想への移行の際には当然、国から都への権限と財源の移譲を想定
する。それと同時におそらくは、護送船団方式で維持してきたわが国の地方自治と地
方財政制度も終わりを告げる。

 今のわが国の財政状況に照らすと、現行の制度はいずれ立ち行かなくなる。それに
もかかわらず「大阪都構想は成り立たない」と騒ぐのは愚の骨頂である。どうせ行き
詰まるのなら、早めに大阪側も国側も仕組みを根こそぎ変えてしまおうというのが都
構想なのである。

 全国各地に地域政党ができると当然、国政にも影響を与える。「法改正はたいへん
だ」「総務省がイエスと言わない」といった見方は古い。政治主導で変えればよい。
頭の隅々まで現行制度に染まってしまっている既存政党や行政学者の意見に惑わされ
てはならない。

─◆執筆者・上山信一(うえやま・しんいち)◆────────────────
慶應義塾大学総合政策学部教授。運輸省、マッキンゼー(共同経営者)等を経て現
職。大阪府特別顧問、新潟市都市政策研究所長も務める。専門は経営改革、地域経
営。最新刊に『大阪維新 橋下改革が日本を変える』(角川SSC新書)、『自治体改
革の突破口』(日経BP社)、『行政の経営分析-大阪市の挑戦』(時事通信社)、
『行政の解体と再生』(東洋経済新報社)がある。ほかに、『だから、改革は成功
する』『ミュージアムが都市を再生する』など編著書多数。
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◎上山信一の「続・自治体改革の突破口」バックナンバーはこちら
http://itpro.nikkeibp.co.jp/members/bn/mokuji.jsp?OFFSET=0&MAXCNT=20&TOP_ID=234646&ST=govtech

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 【4】セミナー&イベント
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◎「平成22年度 社会情報流通基盤研究センター・シンポジウム
~くらしの情報化を支える-薬歴情報、番号制度、電子行政~」
http://asist.ssr.titech.ac.jp/?p=130
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【日程】3月14日(月)13:30~16:10
【会場】東京工業大学大岡山キャンパス西9号館デジタル多目的ホール
(東京都目黒区)
【主催】東京工業大学ソリューション研究機構 社会情報流通基盤研究センター
【概要】行政の電子化の利点の一つに、サービス間で円滑な情報連携がなされ、個人
が自分の情報を自身で管理・閲覧・活用できるようになることで、生活習慣病の予防
などの健康の増進や医療の質の向上に役立ち、さらに幅広い社会課題の解決にも貢献
できると期待される。こうした問題意識のもと、薬歴情報、番号制度や電子行政にお
ける最新の動向や課題解決のためのソリューション研究を紹介し、今後の方向性を展
望する。参加は無料。申込は上記Webページから。

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 【5】編集後記/編集部からのお知らせ
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 住民基本台帳カードを利用して、住民票の写しや印鑑登録証明書をコンビニエンス
ストアのマルチコピー機で取得できる「コンビニ交付」サービスが、全国の市区町村
に拡大しています。2月には12団体、3月はすでに7団体が開始。3月末には41団体に達
します。このサービス、住民には好評ですが、「本来はバックオフィス連携により書
類添付を不要にすべき」との批判もあります。ただ、コンビニ交付で自治体職員の負
荷が減り行政コストが下がるのなら、ペーパーレス化への移行期の過渡的なソリュー
ションとして有効な気もします。バックオフィス連携によるペーパーレス化の実現ま
でに、今からどのくらいの時間がかかると見るか。推進派と批判派を分けるのは、こ
の時間感覚の違いなのかもしれません。(井出)

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