新電子自治体共同研究会(ガートナー ジャパン、価値総合研究所、第一法規で構成)は3月1日、全国の自治体に対して電子自治体関連ベンダーの「マインド・シェア」(企業ブランドや商品ブランドのユーザーの心の中における占有度)についての調査結果を発表した。「日本における電子自治体に関する現状と課題」と題する調査より抜粋したもの。今回の調査では「電子自治体と聞いてどのベンダーをイメージするか、あるいは頼りになるか」について聞いた。調査結果によると、第1位は富士通(77%)、第2位はNEC(68%)となり、この2社が3位の日立製作所(34%)以下を大きく引き離す結果となった。

 今回の調査は2005年9月1日から同10月6日までに同研究会が全国の都道府県や市区町村など全国の2240自治体に対しアンケート形式で行った。回答は全29社のソフトウエア/ハードウエアメーカーのうち最大で5社まで選択させる形式を採り、アンケート送付団体の41.1%に相当する920自治体から回答を得た。

 同様の調査は今回で4回目。そのうち同社では2003年の結果と比べた結果を公表している。それによると上位3社に順位の変化は見られなかった。しかし、4位にはそれまでのNTT東/西日本(5位・22%)に代わってマイクロソフト(31%)が入った。上位15位までのベンダーでは、日立情報システムズ、TKC、日本オラクルが順位と選択率を上げている。

 今回の調査では、営業やサポートなどで直接訪問を受けたことがあるベンダーについても同時に調査している。マインド・シェアは一般に、販売・サポート実績が大きな影響をもたらすが、同研究会は「それだけがマインド・シェア向上の要因ではない」と分析している。

 例えば、マイクロソフトやトレンドマイクロは、直接訪問を受けたことがあるベンダーの上位15社には入っていない。特に町村ではどちらも「訪問されたことがある」と回答した自治体は10%を割り込んでいる。にもかかわらず両社がマインド・シェアを高めた要因として、ガートナー ジャパンではマーケティング力の成果であると分析している。(塗谷隆弘)