松田岩夫・情報通信技術(IT)担当大臣
松田岩夫・情報通信技術(IT)担当大臣

 「日本のIT化で特に遅れているのは医療分野」--1月19日に早稲田大学で開催された国際CIO学会設立総会で、来賓として招かれた松田岩夫・情報通信技術(IT)担当大臣が記念講演を行った。その中で、同日IT戦略本部で決定した「IT新改革戦略」に触れ、医療のIT化を特に重要な課題として挙げた。

 松田大臣は、IT新改革戦略が、(1)ITの構造改革力の追求、(2)IT基盤の整備、(3)世界への発信、の3つの政策群から成り立っていることを説明し、「ITの構造改革力によって日本の構造改革を徹底的に行う」と力説した。

 特に医療IT化については「現在の日本の医療情報制度のレベルは低い」という認識を示したうえで、「今後ゆうに年1兆円ずつ増えていく医療費を、ITによる医療の構造改革で抑えるため、レセプト(診療報酬明細書)の100%オンライン化などを進めて、医療情報制度を作り上げる」と決意を表明した。

   そのほか、ITでエネルギーや資源の効率的な利用ができる環境配慮型社会の実現、オンライン申請率50%を達成する世界一便利で効率的な電子行政、IT経営の確立による企業の競争力強化など、IT新改革戦略の骨子を説明。「産・官・学の力を合わせて、(IT化社会を)作り上げていきたい」と締めくくった。(本間康裕=コンピュータ・ネットワーク局編集委員)