総務省とその外郭団体である地方自治情報センター(LASDEC)は、国内の全市町村に対して、システムにかかる費用の調査を行っていることを明らかにした。18日に開かれた「第2回共同アウトソーシング推進協議会」で調査内容について説明した。

 調査は「業務システムの導入および運用に要する経費等の調査」と題され、住民情報関連、税業務、国民保険・年金など28のシステム、各自治体で独自に開発したシステム、そのほか運用経費と保守経費の合計が人口5万人未満の自治体では年60万円以上、5万人以上30万人未満の自治体では年200万円以上、30万人以上の自治体では年500万円以上の全システムに関して調査する。内容は、システム化の有無、システムの構成、ソフトウエア構築費用、ハードウエア構築費用、運用保守費用、開発や保守の委託先など。9月29日付で全国の自治体に発送され、10月26日までアンケートを受け付ける。その集計結果は各自治体に伝えられるほか、12月に開催される「電子自治体のシステム構築のあり方に関する検討会」の第6回会合の場で紹介される見込み。

 総務省自治行政局自治政策課情報政策企画官の牧慎太郎氏は「今まではレガシー・システムは実際に費用がかかるのか、同じようなシステムでもベンダーごとに費用のばらつきがあるのか、契約する自治体によって契約金額に差があるのかについては明らかにならない部分が多かった。隣接する自治体間の比較はあっただろうが、県を超えたレベルで横並びに比較するための試みは今回が初めて。今回の結果を見て、自分たちの契約額が高いか安いか、またなぜそのような費用になったのかを検証する良い機会になるだろう。また、これにより総務省が進めている共同アウトソーシング事業を利用することが割高か割安かもはっきりするだろう」と語った。

 総務省は以前共同アウトソーシング事業を利用した場合と単独構築した場合の費用対効果のシミュレーションを行ったが(関連記事)今回の調査の結果が明らかになると、その効果がより具体的な形で示されることになるだろう。(塗谷隆弘)