千葉県浦安市は、10月上旬より同市のWebサイトで2次元バーコードが入った申請用紙のダウンロードサービスを開始する。申請用紙のダウンロードサービスは全国の多くの自治体で実施されているが、2次元バーコード付きの申請用紙のダウンロードサービスはめずらしい。まずは同市建設部交通安全課の「自転車駐車場定期利用承認申請書」から導入を開始する。また同市では2次元バーコードによる申請用紙のダウンロードに先立ち、同申請の電子申請も10月3日から開始する。

 浦安市が採用した2次元バーコードによる申請届出システムは、アドビシステムズのAdobe LiveCycle Barcoded Formsというソリューションを利用したもの。浦安市のWebサイトで申請書をダウンロードするWebページを開くと、氏名や住所を記入するフォームのあるPDFが開かれる。フォームに入力すると、用紙の右上にある2次元バーコードが入力された情報に合わせて変化する。入力後、このPDFファイルを印刷した紙を市内の市営駐輪場の窓口か市役所の窓口で手渡す。ちなみに、このPDFに入力はできてもファイルの保存はできない。

■二次元バーコードが右上に入っている自転車駐車場定期利用承認申請書

 届出された用紙は、市役所でスキャナを使って2次元バーコードを読み込みCSV形式に変換、データベースに保存される。従来は申請用紙を基に職員が手入力していたが、この手間が省けるようになる。同申請書は年間約1万5000通提出されている。

■あくまでも紙の申請と電子申請のつなぎの役割

 浦安市経営企画室情報政策課電子自治体推進室の醍醐恵二氏によると、「今回の2次元バーコードと同時に電子申請も開始する。しかし、現状をみると紙の申請の方を好む人も多いし、電子申請を推進しても紙による申請がなくなるわけではない。一方、紙や電子など、複数の申請形式が並立すると職員の業務が複雑になる。そこで、ダウンロードする申請用紙に2次元バーコードを導入すれば、その分とはいえ、庁内の業務省力化につながる」という。

 同市では今後、ほかの申請書でも2次元バーコードを利用できるよう検討中だ。ただ「あくまでも今回のシステムは紙の申請と電子申請の隙間を埋める役割であり、2次元バーコードを申請のメインにするつもりはない」(同氏)としている。(塗谷隆弘)