バンドル・ソフトのセキュリティ更新はどうなっている?

 パソコンの「セキュリティ機能」とは,何も「ウイルス対策ソフト」や「指紋センサー」,「暗号化機能」だけを指すのではない。セキュリティ・パッチの適用状況は,もっと重視されるべきであろう。加えてセキュリティ・パッチは,Windows OSだけでなく,様々なバンドル・ソフトに対しても適用されてしかるべきだ。

 実はNEC,ソニー,富士通,レノボ・ジャパンの4社は,OSだけでなく自社がバンドルしたソフトもアップデートするツールを,パソコンにプリインストールしている。NECのツール名は「121ポップリンク」で家庭用パソコンにのみ提供している。ソニーのツール名は「VAIO Update」である。富士通は家庭用パソコンと企業用パソコンの双方にツールを提供している。家庭用ツールの名称は「アップデートナビ」,企業用ツールの名称は「UpdateAdvisor」である。 レノボ・ジャパンはノート・パソコン用に「ThinkPadソフトウェア導入支援」,デスクトップ・パソコン用に「System Update」というツールを提供している。

Windowsパソコンは「パソコン・メーカーの製品」

 Windows搭載パソコンは,Microsoftの製品ではない。パソコン・メーカーの製品である。メーカーはMicrosoftからWindowsのOEM供給を受けて,Windows搭載パソコンという最終製品を販売している。そもそもライセンス契約上,パソコンに搭載されているWindowsをサポートするのは,Microsoftではなくパソコン・メーカーの義務である。

 第1回で見たように,MicrosoftはWindows XP Home Editionのサポートを「Vistaの発売後2年」で終了すると言っているが,これはパッケージ版のOSの話である。Windows XP Home Editionパソコンをサポートするか否かは,パソコン・メーカーが判断し,告知すべきことだ。

 とはいえ,第2回に掲載したMicrosoftからの返答にあるように,Microsoft自体は「パソコン・メーカーによるWindows XP Home Editionの独自サポートの可能性」を否定している。パソコン・メーカーが独自策を採るのは非常に難しい。

 結局のところ,ユーザーにできることは,比較的安全なパソコンを選ぶことしかないのが現状だ。繰り返しになるが,今年パソコンを購入するのであれば,「Windows XP Professional搭載パソコン」で,しかも「セキュリティ・パッチがきちんと適用されているメーカーのパソコン」を選ぶのが一番確実である。Windows XP Home Editionを選択する場合,高いリスクをユーザーが背負わされていることに注意して頂きたい。

【2月9日お詫びと訂正】当初,OS以外のバンドル・ソフトをアップデートするツールをインストールしているベンダーを3社としておりましたが,実際にはレノボ・ジャパンもインストールしています。訂正してお詫びいたします。文中の表記は修正済みです。