さて質問です——米MicrosoftのWindows Update Services(WUS),Systems Management Server(SMS),Visual Studio(VS),Microsoft Operations Manager(MOM),米Hewlett-PackardのSystems Insight Manager,米VMwareのVirtual Center,そして他にも何百もの独立系ソフトウエア・ベンダー(ISV)のアプリケーションが共通に持っているものは何か?——
それらがみな.NETを使って開発された,ということではない。それらは.NETを使って開発されてはいないし,全部がCD-ROMで提供されるということでもない。降参かな?
答えは——それらの製品の将来のバージョンが,Microsoftの新しいデスクトップ・データベース・エンジン「SQL Server 2005 Express」を共通に使うことになる——というものだ。
無償ならドンドン使える
Microsoftの企業向けデータベースSQL Server 2005は,他のバージョンとは異なっており,SQL Server Expressを無償でダウンロードしてインストールできる。
そして,そのために自社の製品にデータベースの能力を内蔵させたいソフトウエア・ベンダーにとって,それは魅力的なオプションになる。SQL Server Expressは無償だが,SQL Server 2005の有償バージョンにある基本的なデータベース機能をすべて備えている。しかし,マルチユーザーの企業向けデータベースとしての位置付けではなく,SQL Server Expressはデスクトップ用データベースであり,実際にはMicrosoft SQL Server Database Engine(MSDE)の後継なのである。
主にシングルユーザー用のデータベース・システムとして設計されているが,SQL Server Expressは複数のユーザーをサポートする能力を持っており,唯一の制限は1CPU,1GバイトのRAMと1つ最大4Gバイトまでのデータベースしかサポートできないということだ(4Gバイトのデータベースを複数サポートする機能はある)。
SQL Serverを学ぼう
SQL Server Expressは,その能力に依存する無数のアプリケーションにバンドルされるだろうから,今後10年近くステルス(隠れた)アプリケーションになる。SQL Server ExpressはMOM,SMS,そして多数のサード・パーティ製アプリケーションのおかげで普及し,まもなく組織の全レベルに現れて,ITプロたちをデータベース管理者(DBA)に変えるだろう。
SQL Server Expressは簡単に使えて自己管理が可能なように設計されている。しかし,特定のデータベースに依存する重要なデータベース・アプリケーションを稼働する場合,IT担当者はいつでもデータベースの稼働状態を知っておく必要がある。そのためにもSQL Serverの勉強は欠かせない。
SQL Server専門のニューズレター「SQL Server Magazine」を読めば,あなたはSQL Server Expressの最新のニュースとパッチについて学び,あらゆる問題にQuick Tipsを活用できるようになり,そして私たちのScripting Centralコード・リポジトリ(該当サイト)から全コードをダウンロードできるようになる。さらに将来は「SQL Server Expressのインスタンス名の管理方法」「ディスクとデータベースのストレージの仕組みの理解」「入手可能なMicrosoftとサード・パーティ製の管理ツール」「データベースのバックアップ」「アプリケーションの問題の原因を探る方法」について解説する予定である。