Windows 2000 ServerやWindows Server 2003コンピュータで大容量のデータをディスクに保存しています。ドライブの空き容量が少なくなったため,ディスクを追加して容量を拡張したいのですが,ドライブのデータを消さずに可能でしょうか? メーカーが提供しているRAID(レイド)コントローラを使っている関係で,ディスクを追加した後,一度中身をバックアップして,フォーマットし直せば,ドライブ文字を追加せずにそのドライブの容量を拡張できるのですが,もっと短時間で終わる方法を探しています。また,ディスク・ユーティリティが対応していない関係で,ベーシック・ボリューム(ベーシック・ディスク)のまま運用したいと考えています。
Diskpartユーティリティを使うことでベーシック・ボリュームのまま拡張できます。Windows Server 2003,Windows XPにはこのツールが標準で備わっています。また,Windows 2000用の同ユーティリティはマイクロソフトのWebサイトから無償でダウンロード可能です。 空き容量が少なくなったドライブ(ボリューム)を拡張するとき,Windows 2000以降では様々な方法が利用できます。特にダイナミック・ボリュームという状態にディスクを変換すると,中身を保持したままドライブの容量を簡単に拡張可能になります。 しかし,ダイナミック・ボリュームへ変換すると,未対応のディスク管理ツールが使えなくなるなどの問題があります。一度変換すると,ボリュームを削除しない限り,元のベーシック・ボリュームに戻せないというのも気になるでしょう。今回のご質問のように,ベーシック・ボリュームのまま容量を拡張したい方は多いと思います。
同一ディスクの連続した領域へ拡張
(1)拡張したいドライブがNTFSでフォーマットされている このようにベーシック・ボリュームの拡張は,比較的制限の強い方法です。例えば,1台の物理ディスクをフルに使ったボリュームは拡張できません。40Gバイトを20Gバイトずつ2つのドライブに分けていたが,一方がいっぱいになって,もう一方が空いているなどの状況に適しています。 しかし,ご質問の環境のように,ハードウエアRAIDを利用している場合,追加したディスクを,OSからは1つのディスクの未使用領域のように設定できる場合があります。その状況でしたら,Diskpartが利用できます。クラスタ・システムで共有ディスクを拡張することも容易でしょう。共有ディスクはハードウエアRAIDを組むことが多いためです。 「ディスクの管理」を終了して実行
まず,物理的にディスクを追加したら,RAIDコントローラの機能にてQドライブの容量を拡張します。図1bのように,拡張したいドライブの連続した空き領域として設定してください。RAIDコントローラがこうした拡張をサポートしているか事前にメーカーに問い合わせることを推奨します。 次に「ディスクの管理」を終了してから,Diskpartユーティリティを起動し,バージョンを調べます。Windows 2000の場合は「version 5.1.3553」以上であることを確認します。Diskpartユーティリティと「ディスクの管理」は同時に使用できますが,ディスク関連のツールを複数起動することは一般に推奨されません。
最初に「list disk」コマンドでディスク構成を確認します。次に「list volume」コマンドでボリューム構成を確認します。 次に,Qドライブである「Volume 4」にフォーカスするため,「select volume 4」コマンドを実行します。フォーカスされたら再度,「list volume」コマンドにて確認します。その後,「extend」コマンドで空き領域すべてを利用するよう拡張します。 最後に,Diskpartユーティリティを終了し,「ディスクの管理」にてベーシック・ボリュームであるQドライブが拡張されていることを確認しましよう(図1c)。 容量を指定して拡張することも可能です。詳細はマイクロソフトのサポート技術情報「Windows Server 2003,Windows XP,およびWindows 2000でDiskpart.exeを使用してデータボリュームを拡張する方法」(325590),「クラスタ共有ディスクのパーティションを拡張する方法」(304736)を参照してください。 今回のご質問はベーシック・ボリュームの状態を維持するのが前提でしたが,ダイナミック・ボリュームにすれば,別の物理ディスクの任意の空き領域を拡張先に指定できるなど自由度が高まります。また,マウントという機能を用いると,フォルダへのリンクのような形でディスクの容量を拡張できます。 |
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