「国内でも有名な大手コンサルティングファームは、2年しか経験のないJava技術者でも積極的に採用している」――。ある人材紹介大手のマネジャーはこう打ち明ける。今、ITエンジニアの人材市場は、リーマンショック以来の活況に湧く(関連記事:中堅・中小は既に臨界点?深刻度増す技術者不足)。

 その背景にあるのが、いわゆる「2015年問題」だ。2015年~2017年にかけて、ITエンジニア不足が深刻になるというものである。国内企業のIT投資が回復傾向にあるなか、ピーク時1000~1万人に上るITエンジニアが必要になる巨大なシステム開発プロジェクトが同時期に集中する、と予想されている。

 「優秀な人材が不足している」という課題はいつの時代にもある。「2015年問題」は、よりやっかいだ。優秀かどうかを問わず、そもそも人手が足りなくなるのだ。

 現時点でも、2015年問題の兆候は出てきた。「エンジニアを集めることができず、システム開発案件を受注したいが断っている」。ある中堅SIerの幹部はこう嘆く。こうした状況が、システム開発の元請けとなる大手ITベンダーに波及することは時間の問題だ。

 「長く付き合っているITベンダーがおり、そこが開発要員を確保してくれる。今のところ問題もないし、心配していない」。こう話すユーザー企業のシステム部長もいる。信頼できるITベンダーがいても、油断は禁物だろう。

 どのITベンダーも、ユーザー企業1社と付き合っているわけではない。どのユーザー企業を優先するかは、ITベンダーの判断にゆだねられる。ITベンダーのエンジニア不足が深刻化し、それが回りまわって、開発要員を確保できず、自分たちが立ち上げようとしたシステム開発プロジェクトを断念する、なんてことも起こり得る。

 来年にはITベンダーに対して、こんな怒声をあびせているかもしれない。
 「10人といったのに、なぜ7人しか集められないんだ?」 
 「人月単価が10%アップなど承諾できない!何とかしてくれ」
 「3カ月でWebシステムを作らないと、営業部門に叱られる。スキルは問わないから人を集めてくれ」。

 システム開発プロジェクトを立ち上げられたはいいが、コストアップを余儀なくされる可能性は高くなるわけだ。スキルの低い人材をかき集めれば、それだけプロジェクトが失敗するリスクも高まる。

 IT業界が直面する「2015年問題」について、ITプロフェッショナルであるあなたは現在、どうお考えだろうか。3分ほどで終わる簡単なものなので、以下のアンケートに是非ご協力いただきたい。集計結果は本サイトおよび日経コンピュータ誌面で公開する予定だ。締め切りは2014年7月11日(金)とさせていただく。

アンケートは締め切りました。ご協力いただき、どうもありがとうございました。