「ものづくりの主役が企業から個人に」。2012年頃から盛り上がってきたメーカーズムーブメントは、いまだ衰えを見せていません。その中心にあるツールが3Dプリンターです。3Dプリンターを利用すれば、これまでは企業にしか作れないと思われていた立体造形物を個人でも作れるようになります。3万円程度で入手できる安価な小型3Dプリンターも登場しています。いわば、射出成形の工場が自宅のテーブルの上に乗るようになったのです。

 ただ、3Dプリンターさえあれば自由自在に立体物を作れるようになるかというと、そこには高いハードルがあります。3Dプリンターで出力するための3Dモデルデータを用意しなければならないのです。3Dグラフィックスソフトを駆使して思い通りの3Dモデルを作成できるようになるには、3Dグラフィックスソフトに習熟する必要があります。

 そこで、当初はインターネットで無料公開されている3Dデータで試してみることになるでしょう。ゲームやアニメに登場するキャラクターを出力してみたいという人は多いはずです。そうした人気キャラクターの3Dデータもインターネットには数多く公開されています。しかし、こうしたデータのほとんどは、オリジナルの著作権者に無断で作成された違法データです。使用するのは問題があります。

関連グッズを販売するのもOK

 こうした心配が要らないキャラクターはないのでしょうか。実はあります。ユニティ・テクノロジーズ・ジャパンが2014年4月7日にデータを無料公開したオリジナルキャラクター「ユニティちゃん」です(関連記事:オープンソース系ヒロイン「ユニティちゃん」誕生の秘密)。

 基本的には、ユニティちゃんは3Dゲームの統合開発環境である「Unity」で使うためのデータとして提供されています。公開されているデータには、3Dモデルデータに加え、モーションやポーズ、表情データ、音声データなども含まれています。ユニティ・テクノロジーズ・ジャパンは、こうしたデータをUnity以外の用途に流用することも認めています。また、2014年6月12日にはユニティちゃんの2Dデータも公開されました。