先日、インターネット広告関連の事業を手掛けるフリークアウトという企業が東証マザーズへの上場を発表した(2014年6月24日に上場予定)。
同社は、ネット広告をコンピュータプログラム同士がインプレッション単位で自動オークションする仕組み「リアルタイム・ビッディング(RTB)」を日本で最初に始めた企業だ。
RTBとは、掲載場所である「枠」によって静的に決まっていたネット広告の価格を、オークションで動的に決めるというものだ。(参考記事「記者の眼 - 激速インフラ作るネット企業の秘密基地に潜入」)
ユーザーがWebサイトを閲覧した瞬間に、そのユーザーに広告を見せる権利を巡って、オークションが始まる。広告主同士、正確には各広告主の代理であるRTB業者のコンピュータプログラム同士が入札を行い、最高額で落札した広告主の広告が、最終的にユーザーに表示される。これら一連の処理を、わずか数十ミリ秒で完了させるという驚異的な世界だ。
元・音楽作家で元・生物学研究者の創業者
まだ同社から上場が発表される前の段階ではあったが、先日、同社創業者兼CEOの本田謙氏にインタビューさせていただく機会があった(写真1)。
六本木ヒルズの一角にある同社オフィスには、本物のバスケットボールゴールがあったり、水泳プールを模したようなゾーンがあったりと(写真2)、一風変わっている。
オフィス環境以上に、創業者の本田氏の経歴も異色である。何しろ同氏にとってフリークアウトは2社目の起業だ。いわゆる「シリアルアントレプレナー(連続起業家)」といえるだろう。