たかがUSBメモリーと侮ることなかれ。日経パソコンは、定期的に「売れ筋ウオッチ」という製品選びの記事を掲載している。そこでUSBメモリー選びを担当することになり、調べ始めて仰天した。店頭に足を運ぶと、軽く数百種類のUSBメモリーが棚にぶら下がっていて、どれをどう選んでいいのか、さっぱり見当がつかないのだ。おそらく、同じ経験をした読者の方も多いだろう。
ベテランの店員に取材すると、見るべきは(1)容量と価格、(2)読み書きの速さ、(3)形状の3点だという。だが、本当にそれだけなのか。
ご存知の通り、USBメモリーはなかなか“危険”な装置である。USBメモリーを紛失して企業秘密や個人情報が漏れたとか、ウイルスに感染して被害を広げてしまったという話はよく聞かれる。「クラウドサービスの時代になったのだから、オンラインストレージを使えばよい」という主張もある。
だが、クラウドの公開・共有の設定を間違えて、大事な秘密を全世界に公表してしまうユーザーは後を絶たない。取り扱いや持ち運びの手軽さもあり、いまだにUSBメモリーは大人気なのだ。
だからこそ、USBメモリー選びの第4番目の着目点として、「セキュリティ機能」をしっかり見ておきたいというのが、私の考えである。セキュリティ機能は、例えばパスワードでデータ閲覧を制限するといったものだ。
ところが――店頭で幾人かの店員を捕まえて聞いてみても、「はあ、パッケージにセキュリティ機能付きと書いてあるので大丈夫でしょう」などと言われてしまい、要領を得ないのが現実だ。こうした点を含めて、調べて分かった現在のUSBメモリー選びのポイントを記してみたい。