サポートが正式に打ち切られた「Windows XP」が登場したのは2001年。それよりも一足早く米国で登場し、日本では2000年ごろから注目を集めた「元祖XP」をご存じだろうか。「エクストリームプログラミング」、すなわちXP(eXtreme Programming)である。以後、この記事ではエクストリームプログラミングのことをXPまたは元祖XPと呼ぶ。

エクストリームプログラミングを取り上げた日経コンピュータ2001年6月4日号特集(イラスト:北村公司)
エクストリームプログラミングを取り上げた日経コンピュータ2001年6月4日号特集(イラスト:北村公司)
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 いま「ご存じだろうか」と書いたが、「覚えているだろうか」と尋ねるべきかもしれない。Windows XPほどではないにしても、ある時期、多くの人たちの関心を集めていたからだ。

 XPは、価値のあるソフトウエアを素早く、継続的に提供することを狙った「アジャイル開発(アジャイルソフトウエア開発)」と呼ばれるソフトウエア開発手法の一つであり、その火付け役と言える。二人一組になって開発を進める「ペアプログラミング」、実際のプログラムコードを書く前にテストコードを書く「テストファースト(テスト駆動開発)」といったXPのプラクティスはよく知られている。

 実を言うとWindows XPと同様、XPも「過去の人」となりつつある。今でもアジャイル開発の手法を尋ねると、多くの人がまず挙げるのはXPとスクラム(Scrum)のどちらかだろう。しかし実際に使われているかどうかを見ると、現状はスクラムの圧勝と言える。基本的にスクラムの流儀を取り入れ、部分的にXPのプラクティスを使う、というケースが圧倒的に多いようだ。