富士通の山本正已社長が、今年4月に就任5年目に入った。山本カラーを出した新体制で、さらなる成長に挑む。
「山本社長と同期入社の1976年組が後任社長になるのでは」との予想が、日経コンピュータに取り上げられていたが、彼らの多くのが3月末に担当から外れた。会長の間塚道義氏も、6月末に取締役相談役に退く。
76年組を含めて、取締役を6月に退任するのは、佐相秀幸副社長、財務担当の加藤和彦専務、SIを担当する上嶋裕和専務の3人だ。
執行役員では、サーバーなどを担当する豊木則行常務、中国などを担当する森隆士常務、モバイル事業などを担当する大谷信雄常務らが4月に退任。2月末には、海外担当のロッド・ボードレー専務も辞めている。1年前の13年3月にも、76年組の下島文明常務、山中明常務らが富士通を去っている。
10年4月に就任した山本社長は、テクノロジーをベースとするソリューション会社を目指し、成長路線への舵を切ろうとした。だが、富士通の業績はなかなか回復せず、リストラに追われる日々だった。
売上高は07年度の約5兆3000億円から、12年度に4兆4000億円弱と1兆円近く落ち込んだ。13年度は増収となるが、成長に向けてどんなテクノロジーを強みにしていくのだろうか。