米マイクロソフトは2014年1月末、日本のネットワーク技術者コミュニティのミーティング「JANOG33」で「Experiences with BGP in large Scale Data Centers」と題して同社のデータセンターネットワークの特徴を紹介した(写真)。
前編ではこの講演内容を基に、同社の大規模データセンターネットワークの要件や、データセンター内のルーティングプロトコルとしてBGP(Border Gateway Protocol)を採用した背景を説明した。後編では、BGPのもう少し詳しい使い方や、データセンターネットワーク全体を制御する制御ソフト(SDNコントローラー)について見ていきたい。
プライベートAS番号が足りない?
マイクロソフトがBGPを活用してデータセンターを作るにあたっては、設計上の課題があったという。ここではそのいくつかを紹介しよう。
具体的には、(1)プライベートAS番号の不足を解決したい、(2)「AS_PATH」が異なる複数の経路に対してイコール・コスト・マルチ・パス(ECMP)を実現したい、(3)パケットが正常に届かなくなる“ブラックホール”を避けたい――といった課題だ。同社は様々な工夫で、これらの課題を回避している。