日本時間の3月11日未明、アップルはiPhoneやiPadで使われているiOSを「7.1」にアップデートした(図1)。目玉は、「WWDC(世界開発者会議)2013」」で発表済みだったiOSの車載システム「iOS in the Car」改め「CarPlay」への正式対応だ(図2)。

 アップルによる自動車分野への本格的な参入とあってインパクトは大きく、iOSデバイスの今後を占う意味でも重要なマイルストーンとなることは間違いない。ただ、現時点では、機能の詳細や国内での市場投入のタイミングなど、不明な点も多い(「アップル CarPlayの衝撃~フェラーリ、メルセデス、ボルボに見る三者三様のアプローチ」)。

図1●iOS 7.1のアップデート内容。「CarPlay」への対応が筆頭に挙げられているが、日本市場での対応がどうなるか、3月13日時点で詳細な情報はない。
図1●iOS 7.1のアップデート内容。「CarPlay」への対応が筆頭に挙げられているが、日本市場での対応がどうなるか、3月13日時点で詳細な情報はない。
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 また、10年、15年と長期にわたって使用することも珍しくない自動車と、IT分野の中でもとりわけ進化の激しいモバイル業界の組み合わせは、その前提とする時間軸の長さや製品サイクルの違いから、どこまでスムーズに導入が進むのか、ユーザーならずとも気になるところだ(PC Onlineの関連記事:CarPlayは15年使える車にもプラグインしたい)。

 もちろん、iOS 7.1ではこれ以外にも、ユーザーインタフェースの改良や、既知の不具合への対応など、実に広汎な内容のアップデートが施されている。その中で、個人的に興味を引いたのが音声エージェント機能「Siri(シリ)」の機能強化だ。

 従来は、いかにも人工的に合成された音声という感が拭えなかったが、今回のアップデートでかなり自然なイントネーションになった。日本語版はこれまで女性の音声のみだったが、今回から男性の声も追加された。同性の自分から見ても(聴いても?)、なかなか魅力的な声だ。

図2●CarPlayの実装例。車載ディスプレイに、見慣れたiOSアプリのアイコンが並ぶ。運転しながらの操作を想定してか、アイコンのサイズはかなり大きめだ。
図2●CarPlayの実装例。車載ディスプレイに、見慣れたiOSアプリのアイコンが並ぶ。運転しながらの操作を想定してか、アイコンのサイズは大きめ。
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