「このところ新聞をにぎわせているビットコイン、要するに何なのか」
所属している組織の社長や責任者あるいは顧客に当たる組織の社長や責任者からこう聞かれたら、あなたはどう答えるだろう。
「そんな質問を社長がするはずがない」と思われたかもしれない。その理由は二つ考えられる。その組織の業種業務業態、どこを見てもビットコインが関係する余地がない。そもそも社長に会う機会などない。
だが、通貨や決済は、どのような業種業務業態であっても付いて回る。朝刊の一面にビットコイン関連の記事が出ていたら、社長はそれを読むか眺めている。記事の意味が今ひとつ分からなかったので、頭の中にもやもやした感じが残り、ばったり会ったあなたにいきなり質問する可能性はある。
社長に会う機会が無くても、上司には会う。会いたくなくても会ってしまう。社長が事業部長に「ビットコインとは何か」と聞き、答えられなかった事業部長が部長に尋ね、答えられなかった部長が課長に聞き、これを繰り返してあなたの上司に質問が来て、答えられなかった上司があなたに質問する可能性はある。
未来の通貨とか決済の革新といった話題は、なぜか興味をそそられる。詐欺やネズミ講の話もそうだ。ビットコインがどちらなのかはさておき、その実態はどうにも分かりにくく、記事を読んでそれなりに理解しても次の疑問がわいてくる。分からないから、つい誰かに聞きたくなる。
社長に聞かれた時の備えを
社長から「ビットコインとは何だ」と聞かれた時の備えとして、想定回答案を考えてみよう。いきなり答えを考えるのではなく、社長がビットコインの何を知りたいのか、まずそれを想像することにする。
