「取材結果を基にポイントを挙げてみたら、平日朝のラジオ番組に通じるものがあるな」。このコラムに向けて記事の執筆準備をしていた時、こう気付いた。

 記者は、2014年2月末に発行される日経情報ストラテジー5月号の特集「ピープル・コネクティビティ」の取材・執筆に携わった。企業のオフィスにおける、生産性向上や従業員の士気向上を目指したワークスタイル変革をテーマにした記事だ。人と人とのつながりを重視したフリーアドレスオフィス、ウェブ会議、在宅勤務などの活用事例を紹介している。

写真●「社内SNSでは用件だけでなく感情をやり取りすることが大切」と話すウィルフォワードの成瀬拓也代表取締役(次ページで紹介)
写真●「社内SNSでは用件だけでなく感情をやり取りすることが大切」と話すウィルフォワードの成瀬拓也代表取締役(次ページで紹介)

 この記事で記者は、社内SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の活用事例の紹介パートを担当。社員同士のやり取りに使われているメールに代わって、新しいビジネスのアイデアを出す場などに、社内SNSを活用する動きを追った。社内SNSのソフトやクラウドサービスを提供するベンダーの協力もあって、10社近くの社内SNS利用企業を取材できた。

 特集記事では、社内SNSが適用できるシーンを4つに分けて紹介している。しかし、このコラムでそれをそのまま紹介するのは味気ない。そこで、本コラムに向けて、雑誌では触れなかった「社内SNSの盛り上げるポイント」を探ってみることにした。

 そこから見えてきたポイントは2つ。「テーマの設定」と「感情を含めたやり取り」だ。この2つをしばらく眺めていたら、メールやツイッターなどを通じて寄せられる、リスナーからのメッセージの紹介で盛り上がる、平日朝のラジオ番組に相通じると気付いた。

 まずはテーマの設定だ。朝のラジオ番組では、リスナーに向けて毎日違ったテーマを設定し、メッセージを募る。すると様々な内容のメッセージが番組に集まる。それをラジオパーソナリティーが紹介することで、番組は活性化する。