2014年の幕が開けて早くも半月が過ぎた。2013年の通信業界は、NTTドコモによるiPhoneの取り扱い開始(関連記事:「ドコモからiPhone発売」で、携帯各社の競争はどうなる?)、UQコミュニケーションズとソフトバンクグループのWCP(Wireless City Planning)が繰り広げた2.5GHz帯追加周波数帯の攻防(関連記事:UQが2.5GHz帯争奪戦を制した理由、そしてソフトバンクは何に怒っているのか)など、大きな動きが相次いだ。携帯大手3社がiPhoneを取り扱うようになったことで、各社の競争を左右する最大の要素がネットワークになりつつあることは言うまでもない。
そんなネットワークを背後で支えているのが、無線技術や周波数帯の確保である。このような観点において、筆者は今年、2つの動きに注目している。1つは国内で2014年に第4世代移動通信システム(4G)向けに割り当てが予定されている3.4G~3.6GHz帯の行方。そしてもう1つは、2013年後半からグローバルで盛り上がってきた第5世代移動通信システム(5G)の議論の行方だ。
1月23日に総務省が4Gに関する公開ヒアリングを開催
まず前者の国内における3.4G~3.6GHz帯の割り当てについて注目点を指摘していこう。こちらは新年早々の1月23日に総務省が「第4世代移動通信システムに関する公開ヒアリング」を開催予定だ(総務省の報道資料)。ここで、3.4G~3.6GHz帯を使って第4世代移動通信システム(LTE-Advanced)を導入したい事業者が意見陳述する運びになっている。
注目したいのは、この3.4G~3.6GHz帯(3.5GHz帯とも言われる)では、200MHz幅と非常に広い帯域が携帯電話向けに放出される点だ。
LTE-Advancedでは、5MHz幅~20MHz幅のコンポーネントキャリア(CC)を最大5キャリア束ねて、最大100MHz幅の帯域を使えるキャリアアグリゲーション(CA)を利用できる。FDD(Frequency Division Duplex)システムで100MHz幅×2を利用した場合、2×2 MIMO(Multi-Input Multi-Output)の構成で最大750Mビット/秒、4×4 MIMOの構成で最大1.5Gビット/秒のピーク速度となる(表1、表2)。