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記者の眼

コードを理解できない人間がソフトウエアの記事を書く怖さ

大森 敏行=日経ソフトウエア 2014/01/07 日経ソフトウエア

 数年前、他社のプログラミング雑誌を書店で立ち読みしていたとき、その雑誌の編集後記を見て違和感を覚えました。「私はコードは全く理解できないが、間違っていそうな個所は編集者の勘でわかる」と書いてあったのです。「それはおかしいんじゃないか」と思いました。

 好意的に解釈すれば、自分にはできないプログラミングができる執筆者に対する尊敬の念が、このような文章になったのかもしれません。編集者としての感覚を誇りたい気持ちもあったのでしょう。たしかに、編集業務の経験が長ければ、「何かがおかしい」という勘で誤りを発見できることがたまにあります。しかし、技術的な誤りをすべて勘で見つけられるわけがありません。

 掲載するコードの内容が正しいかどうかをチェックするのは、プログラミング雑誌の編集者にとって重要な仕事の一つです。意味がわからない箇所があれば筆者に確認するべきでしょう。コードがわからないのは恥じるべきことであって、「自分はプログラマではないのだからわからなくて当然」と開き直ることではありません。

 編集者だけでなく記者も同じことです。企業のITシステムにしろ、アプリケーション・ソフトウエアにしろ、ほとんどのソフトウエアはプログラミングによって作られています。IT分野の記事を書く記者であれば、本来はプログラミングの知識は必須のはず。ただ現実には、必ずしもそうした知識を持った記者が記事を書いているわけではありません。

 「専門知識を持たない素人だからこそ、斬新な視点で物事を見ることができる」という意見もあります。私は、これは実際には「真摯な専門家であれば、たとえ素人の意見からでも有用な知恵を引き出せる」という意味だと思っています。知らないことについて、深く考えることはできません。「知識を持たないからこそ鋭い洞察ができる」というのは迷信ではないでしょうか。少なくとも、自分が研鑽を怠るための口実にすべきことではありません。

 私はIT分野の記者や編集者に「あなたはプログラミングしないんですか」と聞いてみることがよくあります。たいてい返ってくるのは「やろうとは思っているんだけど、なかなか時間がないんだよね」という返事。他人から押し付けることでもないので「そうですよね」と相槌は打つのですが、少し残念な気持ちになります。

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