写真1●スマートフォンの「健康アプリ」で、毎日の食事を写真撮影して記録する
写真1●スマートフォンの「健康アプリ」で、毎日の食事を写真撮影して記録する
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 東京・大崎にあるローソン本社。ここで働く社員のAさんは昼休み、いつものように近くの食堂に入った。この日注文したのは「レバにら炒め定食」。さっそくお膳が運ばれてきた。

 早く食べたい気持ちを抑えながら、Aさんは食事に手を付ける前に、ポケットからスマートフォンを取り出した。慣れた手つきでアプリを立ち上げ、スマホのカメラで「カシャ」とレバにら炒めを撮影(写真1)。それから「いただきます」と言って、ゆっくりと食べ始めた──。

 Aさんはこうして毎日3食、スマホで食事の写真を撮影し、記録していっている。ちなみに前日の昼は「けんちん汁」、夜は「チンゲンサイ炒めにんにく風」を食べた。それらももちろん記録してある。

 最近は高級レストランなどでも平気でスマホを取り出し、料理の写真を片っ端から撮ってはアップする人も珍しくなくなった。そういう意味ではAさんの行動は、混み合う店内でもさほど目立ったものではないのかもしれない。

 ただし、Aさんの撮影の目的は、この写真を自分のFacebookに投稿することではない。全く別なところにある。秘密はAさんのスマホの中に格納された、ローソン独自のアプリにあった。

写真2●健康アプリで体重、食事、運動を管理する
写真2●健康アプリで体重、食事、運動を管理する
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写真3●スマートフォンと歩数計を持ち歩く。歩数計は無線通信に対応している
写真3●スマートフォンと歩数計を持ち歩く。歩数計は無線通信に対応している
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 「健康アクションプラン アプリ」。通称、健康アプリ。2013年に入ってから、Aさんの毎日は、この健康アプリと共にある。毎日の食事の写真は、このアプリですべて管理している。

 健康アプリには、主な料理メニューのカロリーが登録されている。写真を撮った後、自分でメニューを検索したりバーコードがある商品ならそれを使って情報を引き出したりして、カロリーを表示できる。今日のレバにら炒めは613kcal(キロカロリー)。「ランチはこのくらいのカロリーでちょうどいいな」と、Aさんはレバにらをほおばりながら、うなずいた。

 ちなみに、昨日は朝食(260kcal)、けんちん汁(800kcal)、チンゲンサイ炒め(782kcal)の3食合計で、1842kcalを摂取した。

 Aさんには明確な目標がある。例えば、2013年10月は、月末までに体重を70.5kgまで下げる(写真2)。その目標に向かって、日々の摂取カロリーをコントロールしている。さらに運動も管理。会社から支給された歩数計をスマホと一緒に毎日持ち歩き、1日8200歩の目標に対して、その日どれだけ歩いたかを記録している(写真3)。

 歩数計はタニタ製。ローソンはタニタのサービスと自社インフラを連携させて、社員の運動管理を支援している。Aさんは時々ローソンの店舗に立ち寄り、売り場に設置してある店頭端末「Loppi(ロッピー)」にこの歩数計をかざす。