読者の皆さんは普段、ID/パスワードを使ってログインするサイトをいくつぐらい利用しているだろうか。シマンテックが先週(2013年10月30日)発表した「『個人・企業のパスワード管理』に関する意識調査」によると、「普段利用しているサイト(もしくはスマートフォンアプリ)で、ID/パスワードでログインするサイト数」は「5~9個」が29.3%で最も多く、これに「1~4個」(26.3%)、「10~19個」(23.7%)が続いている(図1)。

図1●普段利用しているサイト(もしくはスマートフォンアプリ)で、ID/パスワードでログインするサイト数(出典:シマンテック「『個人・企業のパスワード管理』に関する意識調査」)
図1●普段利用しているサイト(もしくはスマートフォンアプリ)で、ID/パスワードでログインするサイト数(出典:シマンテック「『個人・企業のパスワード管理』に関する意識調査」)
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 記者自身、改めて考えてみると、ID/パスワードを使ってログインするサイトは、オンラインバンキング、ショッピングサイトなどで15個ほど。これに社内のグループウエア、伝票決済システム、出勤簿、それに記事投稿システムなど仕事関係のサイトを加えると、軽く20個を超えることになる。

 これくらいの数になると、すべてのID/パスワードを記憶だけに頼って管理することは(少なくとも記者には)不可能になる。メールなどの日常的に利用するID/パスワードは記憶しているが、それ以外の大事なID/パスワードはノートに書き写して自宅の引き出しに仕舞い込んだり、ものによってはテキストファイルに記録してパソコンのどこかのフォルダに放り込んでいる。

 シマンテックの調査は2013年9月19日~20日に、全国の18歳から59歳までの男女300人を対象にWebアンケート形式で実施されたものだ。調査では「金融サービスや決済サービス」といった高いセキュリティが求められるサイトのID/パスワードの管理方法についても質問している。

 主な管理方法は、多い順に「記憶している」(55.9%)、「紙などにメモを残している」(35.9%)、「パソコンやスマートフォンのファイルとして保存している」(16.7%)など。複数回答形式なので、「記憶している」と答えた人たちが複数のID/パスワードをすべて「記憶している」わけではなく、記者と同じように頻繁に利用するパスワードは記憶、それ以外は紙のメモやファイルの記録に頼っている人が多いようだ。

 同調査では「あなたが記憶できるID/パスワードの記憶可能数」も質問しているが、一番多い回答は「2~3組」の52.3%。「10組以上」という強者(つわもの)も7.0%ほど存在するが、「1組でも記憶しておく自信がない」(6.0%)、「1組なら」(11.7%)という“謙虚”な人も少なからず存在する。