日経ソフトウエア2013年10月号で「プログラミングでお金を生み出す技52」という特集を大森記者と担当した。企画当初は編集部外から“日経ソフトウエアらしくない”という意見を多くいただいたが、読者からの反響も大きく、やってよかった特集だったと思っている(関連記事:「お金儲けの話」は嫌いですか)。
サブ担当だった筆者は、アフィリエイト系の記事を多く担当した。記事を執筆するにあたって、Google AdSenseやAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトなどの広告をレンタルサーバー上に配置し、正しく動くことだけを確認した。すべてを配置するためにかかった時間は数十分だ。あれから1カ月。本当にお金を生み出すことができたのかを検証した。
Google AdSenseで143円を生み出せた
商品を紹介して報酬を得るAmazonアソシエイトや楽天アフィリエイトでは、残念ながらお金を生み出すことはできなかった。筆者の用意したWebサイトを経由して、日経ソフトウエアを購入した人はいなかったわけだ。
ところが、Google AdSenseはきちんとお金を生み出していた。たった数十分の作業だけで、Googleから143円/月の報酬を得られたのだ(図)。出した広告はGoogle AdSenseが推奨するテキスト広告だ。Google AdSenseでは、Webページのコンテンツ内容に合わせて、自動的に広告の内容が設定される。
設置したWebサイトにSEO(Search Engine Optimization)対策などは施していない。ただ広告を張り付けるだけではなく、見栄えに凝ったWebサイトならばアクセス数も増えただろう。さらに、筆者はレンタルサーバーを使い、いちからWebサイトを作成した。もし、無償のブログ作成サイトなどを使っていれば、もっと短時間で広告を張り付けられたはずだ。
しかも、実際にプログラミングしたのは数十行程度。ブログ作成サイトであれば、ほぼコピー&ペーストのプログラミングで十分だ。このように、ほんのわずかなプログラミングさえ覚えてしまえば、金額の大小はさておきお金を生み出すことができるのだ。
お金で買えない価値を生み出せる
プログラミングでできることは、直接お金を生み出すことだけではない。プログラミングには、独特の高揚感や充実感がある。
プログラミング経験者は初めて自分の作成したプログラムが動いた感覚を思い出してほしい。作成したWebサイトやアプリケーションを「正しく動くかな」「挙動は設計通りかな」とドキドキしながらデバッグ/実行しただろう。作成した成果物が正しく動いたときの喜びは何事にも代えがたい。
しかも、プログラミングへのハードルは年々下がり続けている。以前は有償であった開発環境のほとんどが無償になり、PCさえあればだれでもプログラミングを始められるようになった。Android搭載のスマートフォンを持っていれば、スマホアプリも実機で検証できる。趣味としてプログラミングをはじめるには、打って付けの状況といえる。
プログラミングの可能性は無限大だ。お金を生み出すだけではなく、仕事を効率よく進める、ワクワク感を味わう、といった用途にもプログラミングが最適だろう。日経ソフトウエア2013年11月号では、趣味で使えるものから、ExcelやWord、PDFファイルを出力する方法やCSVのデータを整形するなど、業務に利用できるものも掲載している。ぜひ、プログラミング経験がない人にも本誌を手に取ってワクワク感を味わってほしい。