NECが2013年7月に発表した米HP(ヒューレット・パッカード)とのエンタープライズ・サーバーでの協業内容が明らかになってきた。サーバー市場における生き残りをかけ、1995年から続くHP-UXサーバーや、インテル製プロセッサItaniumを搭載したIntegrityサーバーに加えて、ミッションクリティカルなx86サーバーの共同開発へと広げる。協業することで開発スピードを速め、開発コストも削減していくのが狙いだ。

 ITインフラ事業などを担当する庄司信一執行役員常務は「オンプレミスでも、クラウドでも、ミッションクリティカルなインフラが求められる。ポテンシャルも大きい」と、次世代のサーバー開発に意欲をみせる。

 NECもHPも財務状況は厳しい。HPは2012年度に赤字転落し、HP-UXサーバーやItanium搭載サーバーなど「ビジネス・クリティカル・システム」の売り上げは、08年度の35億ドル強から12年度に25億ドル弱まで落ち込んだ。NECのRISC/Itaniumサーバーの売り上げも、12年度は前年度比約30%減の80億円と低迷した(日経コンピュータ13年6月13日号)。

 開発予算が削減されていると思われる両社が次機種開発を単独で進めれば、発売時期が遅れてしまう。それが、LinuxやWindows環境で稼働するミッションクリティカルなx86サーバー「DragonHawk」(開発コード名)の共同開発にHPが踏み切った一つの要因に思われる。もちろんNECも早い出荷を期待する。