写真●島根県松江市の塩見繩手にある小泉八雲旧居。1940年に国の史跡に指定されている
写真●島根県松江市の塩見繩手にある小泉八雲旧居。1940年に国の史跡に指定されている
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 8月3日、4日と恒例の研究会旅行で米子・松江・出雲へ行った。1998年以来16年目の旅行会で初めて女性がいない、男ばかり8人での旅となった。

 松江にいる情報化研究会のTさんに塩見縄手の旅館を紹介してもらった。松江城の外堀に面しており、並びには小泉八雲旧居(写真)や武家屋敷がある。もともと松江藩の上級武士が住んでいた場所だそうだ。貸切の宿なので、仲間だけでゆっくりくつろぐことができた。

 さて、本論に入ろう。iPadやAndroidタブレットが登場してほぼ3年が経過した。ここにきて、企業でのタブレット導入に加速度がついているように感じる。その第一の理由はAndroidタブレットの低価格化が進んでいるからだ。つい先日も、「1万5000円以下の7インチAndroidタブレットを3000台提案してほしい」との依頼を受けた。

 ノートパソコンでは高価で導入できない利用現場でも、タブレットなら気軽に使えるようになったのだ。

 タブレットを企業が使う場合のキラーアプリは何だろうか。初期の段階では、マニュアルなどのペーパーレス化とプレゼンがタブレットの主な用途だった。今ではそれと並んでリモートデスクトップ(RD)が主役の座を占めている。パソコンで使っている既存の業務アプリをそのまま使えるからだ。

 今回はタブレット用RDアプリの意外な効果やRDアプリを選択する際のポイントについて述べたい。

レガシーなアプリをタブレットで

 RDのメリットは、社内にいようが外出先だろうがタブレットで業務アプリを利用できることだ。自席のパソコンあるいは仮想PCサーバーに接続して、メールやスケジューラーだけでなく業務アプリ全般を利用できる。端末にデータを残さない、いわゆるシンクライアントなのでセキュリティも保ちやすい。

 よく使われる業務は、外出先での稟議の承認や直行直帰する営業担当者の勤怠システム入力などだ。

 今や企業のアプリのほとんどはWebインタフェースだが、かつてのクライアント/サーバー時代のレガシーアプリが現役で使われていることもある。ある企業では、店舗の在庫管理にVisual BasicとAccessで作ったアプリを使っている。棚卸しの結果をバックヤードにあるパソコンで入力するのだ。

 このパソコンアプリをやめて、棚をチェックしながらタブレットで入力できるようにしようと考えた。そのためにはアプリを作り直さなければならず、時間も費用もかかる。開発した当時の人がいないのでなおさら大変だ。

 そこでひらめいたのがRDの利用だ。倉庫に無線LANを設置し、タブレットのRDアプリでバックヤードのパソコンと接続する。これならレガシーなアプリをそのまま使うことができる。古いソフトウエア資産を最新のタブレットで生かす、RDの意外な効果である。