2013年1月19日、東京都港区六本木の「ニコファーレ」で、一風変わった催しがあった。舞台に上がった2人の「選手」が試合をするのだが、2人はただ座って、画面上で進むパズルゲームの成り行きを見守るだけ。一定時間が経過すると「WIN」「LOSE」という結果が表示されて、勝敗が決する。
この試合を、会場では約100人が「観戦」した。「ニコニコ生放送」でもインターネット中継され、約4万6000人もの視聴者がいた。会場からは時折「おお」「すごい」といった歓声が聞こえてくる。何も知らない人が通りがかったら、スポーツの試合だと見間違えそうだ。
学生限定の「競技プログラミング」大会
ここでは、リクルートキャリアやチームラボなど人材・IT関連企業4社が主催するプログラミングコンテスト「学生プログラマ日本一決定戦 CODE VS 2.0(コードバーサス2.0)」の決勝トーナメントが行われていた(写真1)。
CODE VSは、応募資格を学生(中・高・高専・専門・大学・大学院・既卒3年以内の未就業者を含む)に限定。主催側は学生プログラマーの技術力向上と、突出した人材の発掘を狙っている。ルールの範囲内で、ゲームで勝つためのプログラムを作り、そのアルゴリズム(処理手順)の優劣を競い合う「競技プログラミング」分野のコンテストだ。
ちなみに、「アルゴリズム」という概念の始祖に当たるのが、昨年生誕100周年を迎えた数学者アラン・チューリングである(関連記事)。
予選には約500人の学生が応募。「ぷよぷよ」や「テトリス」に似たブロックを消す「落ち物パズルゲーム」で得点を競った。予選で高得点を獲得した8人の学生が決勝に進出し、トーナメント方式で優勝を争った(写真2、写真3、サンプル動画)。