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記者の眼

2012年版、エース人材の条件

小笠原 啓=日経コンピュータ 2012/11/12 日経コンピュータ

 ITの世界は変化が速く、旬の技術や勢いのある企業、ビジネスチャンスが眠る領域がめまぐるしく入れ替わる。そこで働く人たちが備えておくべきスキルや考え方も、時代に応じて変わらざるを得ない。

 日経コンピュータ2012年11月8日号の特集記事「新世代エースの条件」では、ITを武器とする15人のエース人材を紹介した。彼、彼女らの仕事ぶりや思考方法を追うことで、エース人材の条件を浮き彫りにするのが狙いだ。

 条件とは何か。一言で言えばこうなるだろう。「ITを使って新しいビジネスを立ち上げる」ことだ。

 ITの世界ではこれまで、顧客の要望を理解して納期通りに品質の高いシステムを作れる人が、エースと呼ばれてきた。また従来のシステム開発では、開発工程ごとに役割が細分化され、データベースやネットワークなど特定分野にのみ詳しい「職人」も高く評価されてきた。

「歯車が10人いても1人のエース人材にはかなわない」

 しかし、その常識はもはや通用しない。

 クラウドの普及により大規模プロジェクトが減少し、かつては不可欠だったプロジェクトマネジャーの存在価値は、年々低下しつつある。システム部門が担っていたサーバーやルーターの設定作業も、クラウドを導入することで大きく軽減される。さらに、オフショア開発が一般化したことで、付加価値の低い作業は海外にどんどん流出しつつある。

 転職市場には、こうした変化がダイレクトに投影されている。「年収1000万円以上の転職」にこだわった転職サイトを運営する、ビズリーチの竹内真CTO(最高技術責任者)は「自分で手を動かして、1人でもの作りを完結できる人が高く売れるようになった」と指摘する。ITが競争力の源泉だと気付いた企業がシステムの内製化を進めていることで、開発力のあるエンジニアに対するニーズは高止まりしている。

 「ITの世界では、歯車を担うエンジニアが10人いても1人のエース人材にはかなわない。多くの企業がそれに気付いた」と竹内CTOは言う。実際に、一部の企業では年齢や経歴に関係なく、卓越した能力を持つエンジニアを高く処遇し始めている。

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