「この特集をやられるなら、ぜひ一度見ていただきたいところがあります」――今年8月、取材依頼をしていたNTTドコモのイケメン広報マンからこんな誘いを受けた。

 日経NETWORKでは、10月号で通巻150号を迎え、それを記念した特別特集「電話のしくみ」を掲載した。「LINE」や「Skype」「050 plus」といった最新通話アプリから、加入電話やひかり電話、携帯電話までの「どうやって通話ができるのか」という仕組みを解説している。前述の誘いはこの記事の取材依頼をしたときのものだ。

 誘いを受けたのは、両国にあるNTTドコモ墨田ビル内の「NTTドコモ歴史展示スクエア」である。NTT関連の機材展示といえば、大手町にある逓信総合博物館(ていぱーく)に集められていると思っていたが、実は移動体通信の機材は主にこちらにあるという。

 せっかくなので、誘いを受けて8月某日に来訪した。伺う前は、たぶん歴代の携帯電話端末を並べただけのスペースだろうと踏んでいた。ところが、その予想は裏切られ、筆者にとっては非常に貴重な体験となった。

 そこで今回は、ここに展示された機材の一部を写真と一緒に紹介しよう。

移動通信の歴史がわかる

 NTTドコモ歴史展示スクエアは、JR両国駅から徒歩7、8分のところにある。ちょうど両国国技館と江戸東京博物館の間にある細い路地を抜けた先に位置する。地上27階建てのビルにあり、屋上近くには複数の巨大なアンテナが設置されているので迷うことはないだろう。

 スクエアは、ビルに入ってすぐ左手の、フロアーの一画を区切ったスペースだった。事前に広報担当者から「規模は大きくありません」と伺っていたので驚きはなかった。デパートなどで行われる催事場の展示会といった感じだ。