2年ほど前、筆者はiPhoneとAndroid端末のどちらを購入しようか真剣に悩んでいた。はじめは、NTTドコモの携帯電話を10年超使い続けていたことや家族間通話が無料だったことなどから、NTTドコモが販売するソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ(当時)のAndroid搭載スマートフォン「Xperia SO-01B」を第一候補として考えていた。

 ところが、iPhoneの方がスクロールがスムーズであったり、ほしいアプリがiPhone向けにしか存在しなかったりしたため、iPhoneと従来の携帯電話(フィーチャーフォン)の2台持ちを選択することになった。インターネット関係はiPhoneで、通話はフィーチャーフォンで、といったように使い分けるのだ。

 しかし、2台持ちは不便だった。2台も充電しなければならず、フィーチャーフォンを家に忘れることもしばしば。メールだけでもiPhoneにまとめたいと考え、NTTドコモのWebメールサービスである「i-mode.net」を契約し、レンタルサーバーに「imoten」というソフトウエアを導入して、iPhoneの純正アプリでiモードメールが読めるような環境を整えた。だが、本来1台の端末でできることを、わざわざ2台の端末でしなければならないのは不便だと言わざるを得なかった。

“ヌルヌル”感が追いつく

 あれから2年の歳月が流れて、ようやくiPhoneからAndroidに乗り換えられる状況が整いつつある。その理由を5つ挙げる。第1の理由が、ユーザーインタフェース(UI)周りの操作性の向上だ。6月末に発表されたAndroid 4.1(関連記事)を搭載した端末に触る機会があったのだが、思った以上に“ヌルヌル”動くことに驚いた。以前のXperiaで感じたひっかかるようなスクロールもない。iPhoneに勝るとも劣らない操作性を実現している。

 第2の理由は、NTTドコモの料金プランが値下げされたことだ。Android端末では、スマートフォンを利用する際に加入するパケットし放題のプランに月額5460円がかかっていた。さらにLTE方式に対応したNTTドコモの通信サービス「Xi(クロッシィ)」の場合は、月額5985円が必要だった。ソフトバンクモバイルのiPhoneが月額4410円でパケットし放題であるのに比べると割高感があった。

 しかし、NTTドコモは1カ月間のデータ量が3Gバイトまでなら4935円に値下げする「Xiパケ・ホーダイライト」を発表した。ほとんどのユーザーは、3Gバイト以上も使うことがないだろう。実質値下げになる。