筆者の自宅にあるパソコンでは、小さなきっかけでデータが急増し、知らぬ間にハードディスクの大半を使い果たしてしまうような問題が起こっていた。原因は写真やビデオのデータだ。こういう話は最近よく聞くようになったので、筆者も心の隅では用心していたのだが、実際に経験してみると思っていた以上にインパクトがあった。そんな体験談を紹介したい。

 先月の話になるが、レンタルサーバー事業を展開するファーストサーバで、データ消失を伴う大規模障害が発生した。「データ消失」というのは鳥肌の立つ出来事だ。このニュースを見て、筆者はふと思い出した。「そういえば、自宅のパソコンにある写真アルバムのデータをDVDにバックアップしていなかったな。今晩やってしまおう…」。もしデータ消失ということになれば、筆者自身が悲しいのはもちろん、将来にわたって家族から恨まれかねない。

 筆者は休日などに撮った写真類をパソコンに保存した後、外付けのハードディスクにも同じものを毎回コピーしている。ただ、過去に外付けディスクが2回壊れてしまった経験がある。壊れる前には、特定フォルダ内のデータだけがすべて読み込み不能な状態になったこともある。一見、正常に動作しているように見えて、データが破壊されつつあるところが怖かった。このような経緯から、外付けディスクだけに頼るのは危ないと思い、毎年1年分のデータをまとめてDVDにも保存している。

 今回は、2011年分のデータをDVDに保存し忘れていたわけだが、ここで全く予想外の問題に直面した。帰宅して早速、パソコンに未記録状態のDVDをセットし、昨年の写真データを書き込もうとしたら、「Volumeに十分な領域がありません」というエラーメッセージが出たのだ。こんなことは初めてだったので少し驚いたが、「そろそろ1枚のDVDで収まらなくなることは想定内のこと。3年前、パソコンを買い換えるときに、ブルーレイドライブ搭載モデルを買っておいてよかった」と考えた。

 しかし、メッセージの続きを見て目を疑った。「これらのファイルをコピーするには、さらに45.6GB必要です」とあるのだ。何かの間違いかと思い、Windowsのエクスプローラで改めて調べてみたが、メッセージの内容は正しかった。2011年のデータは全部で50ギガバイトであり、前年の10倍以上になっていた。

 「まさか、1年でそんなにたくさんは撮ってないでしょ」と思ってフォルダの中身をざっとのぞいてみたが、写真やビデオ以外のデータは混ざっていない。これでは手元にある4.7ギガバイトのDVDを10枚使っても保存できないし、50ギガバイトのブルーレイディスクを使ったとしても、実容量を考えると1枚では収まりきらなくなっている。ついでに、Cドライブの空き領域が全体の2%しか残っていないことも分かった。