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「新しいビジネスモデルの創造に寄与する」、日本HPの意気込み

2012/02/01

 「(ユーザー企業の)新しいビジネスの創造に寄与する」。日本ヒューレット・パッカード(HP)エンタープライズサーバー・ストレージ・ネットワーク事業統括の上原宏サーバーマーケティング統括本部長は2012年1月中旬に開催した製品事業戦略説明会で、こう意気込みを語った。開発中のコンピューティングパワーを大幅に改善したサーバー製品を活用し、想像を超えた体験を提供するというのだ。性能や機能を訴求するプロダクトアウトの発想では、IT製品の需要拡大は困難になっているし、ユーザーも求めていないからだろう。

 日本のサーバー市場は縮小傾向にある。市場調査会社は2012年度のサーバー市場もマイナス成長と予測している。上原統括本部長は「(サーバーベンダーが)コスト削減の提案しかしていなかったからだ」と原因を分析し、調査会社の予測を覆す画期的な二つのサーバー製品を投入するという。

 一つは、2012年上半期に出荷予定の「手のひらに4つのコアが載る」(上原氏)低消費電力の超小型サーバーだ。従来のサーバーに比べて、消費電力を89%、スペースを94%、導入コストを63%、それぞれ削減したもの。もう一つは、2014年までに発売予定のミッションクリティカルな用途に使えるx86サーバーである。

 日本HPはこれら製品を、SNSなどのWebシステムや大量データの高速分析システムなどとして売り込む一方、「こうした用途を超えた利用形態を、ユーザーと一緒になって考える」(上原統括本部長)。

 だが、疑問が残る。そうした提案活動と実現に向けた体制が日本HPに整っているのか。人材は育っているのか。残念ながら、その点についての明確な説明はなかった。もちろん施策はいくつか発表した。

 一つは、同社が主催する複数のユーザー会を交流させる「ユーザーフォーラムビレッジ構想」だ。もう一つは、IT部門以外へのアプローチである。例えば「データ分析に関するIT投資をしましょう」と実際に使う部門に提案する。確かに、IT部門からの投資予算が減っているなかで、利用部門への提案はIT製品の需要増を期待できるが、新しいビジネスの創造にどうつなげるのだろう。

 上原統括本部長は「サーバーの性能は『こうです』といったスペックの説明から脱却し、付加サービスの提供へと変える」とする。意気込みは買ったので、その内容を一日も早く聞かせほしい。

著者プロフィール

田中 克己(たなか かつみ)
 日経BP社で日経コンピュータ副編集長、日経ウォッチャーIBM版編集長、日経システムプロバイダ編集長などを歴任し、2010年1月からフリーのITジャーナリストに。2004年度から2009年度まで専修大学兼任講師(情報産業)。  30年にわたりIT産業の動向をウォッチし、現在は日経コンピュータで「再生の針路」を連載中。主な著書に「IT産業崩壊の危機」「IT産業再生の針路〜破壊的イノベーションの時代へ〜」(ともに日経BP社)がある。

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