前回の最後で、「私のところで直面している問題」ということを書きました。今回はそのことについて書きたいと思います。

 これは、あくまでも「一つの例」「一つの考え方」ですが、同じようなことを考えなければならなくなった時のケーススタディとしてもらえると良いかと思います。

プロダクトの概要

 あまり派手に宣伝しておりませんが、当社に「おたま(Otama)」という画像検索ライブラリがあります。複数のアルゴリズムを組み合わせて、正確さ、柔軟性、高速性、スケーラビリティを追及したものです。当社のサービスの「ひきがえる」を作る時に当社社員の作ったものが元ですが、今はかなり別物になっています。

 ここはプロダクトの紹介をする場ではないので、詳しいことはホームページを見て下さい。

 このソフトウエアは今のところはプロプライエタリになっていますが、これをオープンソースにしてしまおうと考えています。当初から「ひきがえるが成功しなければオープンソースに」と考えていて、「ひきがえる」はサービス設計に間抜けなところがあったせいもあって、お世辞にも成功しているとは言えない状態なので、ライブラリだけでも世に出そうしているわけです。

 あまり力を入れて宣伝していませんが、それでも使いたいというお客様もあって、いろいろと改良を行っているところです。今やっている仕事が落ちついた頃に、オープンソースとしてリリースしたいと思っています。

オープンソース化のモチベーション

 私が今まで直接かかわって来たプロダクトは、「オープンソース化」が要件のものでした。ですから、オープンソースにするかどうかを考えるまでもなく、オープンソースにすることが前提のものばかりでした。また、個人的に作り始めたものは、すぐ捨てるものを除けば、基本的にオープンソースにしてしまいますし、SIで受注したものも極力オープンソース化を提案して来ました。その辺のことについては、いつかまた述べる機会があると思いますので、詳しくはその時にでも。

 ただ、「おたま」については、社内で使うために、またそれがあること自体を強みとすることを目的に作り始めたものですから、オープンソース化が要件であるプロダクトではありません。ある意味コア技術の一つなのですが、それをオープンソースにしたいと考えています。

 一応、営利法人である当社が主要なプロダクトをオープンソースにするには、もちろんそれなりの理由があります。それは、

・宣伝
・開発
・特許

 の問題を解決したいからです。