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ネットワーク・エンジニア倶楽部
松田次博 間違いだらけのネットワーク作り

受注に直結する「プレゼンの極意」

2011/12/26
写真1●第35回情報化研究会の参加者全員で記念撮影
[画像のクリックで拡大表示]

 2011年12月7日、明治記念館で有賀貞一氏独立記念・「間違いだらけ」700回突破記念の情報化研究会を行った(写真1)。有賀さんは20数年来の情報化研究会のメンバーだ。経歴や今回の講演内容はすでにITproのニュース記事で紹介されているのでここでは触れない。

 700回を突破したのは筆者が毎週土曜日に書いている、情報化研究会ホームページの「間違いだらけのネットワーク作り」だ。1997年9月以来、14年間書いていることになる。今回の研究会には、NTTコミュニケーションズやNECなどの20代、30代の若い人がたくさん参加してくれたことが嬉しかった。

 筆者の講演では、講演をきっかけに受注した大規模ユーザー事例を2つ紹介した。プレゼンや講演は受注を獲得するための絶好の機会だ。今回は受注に結び付けるためのプレゼンや講演の“極意”について述べたい。

際立ったインパクトと裏付けが必要

 10月某日、筆者のケータイに着信があった。1000拠点に及ぶ大規模ネットワークを提案している企業の役員の方からだ。筆者の提案を採用することに決めたとの連絡だった。7月のセミナーで筆者の講演を聞いたこの方は、その場で筆者に提案を依頼した。それから3カ月で受注が決まった。

 これは筆者にとって珍しいことではなく、これまでのほとんどのお客様は講演をきっかけに提案・受注している。講演の翌日に初回訪問し、1週間後に有償コンサルティングを受注したのが最短記録だ。コンサルティングに続いて設計・構築も受注した。

 プレゼンを組み立てるとき、まずハッキリさせるべきことは「このプレゼンで伝えたいことは何か」である。“伝えたいこと”は“受注したいもの”に直接結び付くものだ。筆者は最初のスライドに「本日のポイント」という見出しで伝えたいことを三つにまとめる。このポイントがインパクトのあるものでないと受注に結び付くことはまずない。

 インパクトがある、とは「これまでの自分の常識と違っている」「こんな考え方があるのか」といったサプライズがある、ということだ。

 古い例と最近の例を紹介しよう。2002年11月、国内初の大規模なIP電話を提案したとき、そのキーワードは「IPセントレックスでPBXレス化」だった。高コストのPBXを集中型のIP電話であるIPセントレックスで代替するというものだ。サーバーもIP電話機も当時は「絵に描いた餅」だったが、その革新性が評価されて受注した。

 ここ数年のプレゼンで必ずポイントに含めるのは「国産主義」だ。何でもないフレーズのように見えるが、長年、外国製品を使うことが当たり前と考えている企業には新鮮なのだ。昨年構築した金融機関のネットワークも今年手掛けた製造業の“データ+FMC統合”ネットワークも、外国製から国産に更改し、コストパフォーマンスを高めた。

 いくらインパクトがあるアイデアであっても、それを具体化でき、効果があるものだと納得してもらえなければ受注には結び付かない。そこで、アイデアを裏付ける“事例”が重要になる。例えば、高い信頼性が求められる金融機関や大規模ネットワークで「国産主義」を実現していることを示すのだ。

>>決め手は「プレゼンターの実行力」
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著者プロフィール

松田 次博(まつだ つぐひろ)
 情報化研究会主宰。情報化研究会は情報通信に携わる人の勉強と交流を目的に1984年発足。現在,会員数約1200人。
 IP電話ブームのきっかけとなった「東京ガス・IP電話」,脱・専用線,脱・ブランドを徹底して大規模ネットワークを構築した「積水化学ネットワーク・リストラ」など,一貫して最新の技術や通信サービスを生かした企業ネットワークの革新を提案,実現。
 近著に「企業ネットワークの設計・構築技法−広域イーサネット/IP電話の高度利用」(2003年,日経BP社),「ネットワークエンジニアの心得帳」(2005年,同),「間違いだらけのネットワーク作り」(2008年,同)がある。
 NTTデータを経て,NEC勤務。

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