個人的な話で恐縮だが、記者は、この年末くらいにスマートフォンを購入する予定である。この2カ月ほどAndroid関連の企画(ムックと特集記事)に没頭していて、合間にどれを買おうか考えていた。仕事とプライベートは別だから、個人として一番欲しい端末を買いたい。
この2年弱、iPod TouchとモバイルWi-Fiルーターを使っていて、普通ならiPhone 4Sを買うところだろう。ところがiPhoneへの興味がほとんどなくなってしまった。調べれば調べるほど、Androidスマートフォンの方が魅力的だからだ。
市場調査でAndroidスマートフォンのシェアがどんどん上がっているのも、Androidがより魅力的なことが理由だと思った。スマートフォンのOS別シェアを見るとAndroidは、日本で79.6%(MM総研調べ、2011年4~9月期)、世界で52.5%(米Gartner社調べ、2011年7~9月期)を獲得。iPhoneのiOSは同じ調査で、それぞれ15.0%、18.7%にとどまっている。
大画面で高精細、高速通信もおサイフも使える
現在のAndroidスマートフォンは、iPhone 4Sと比べてどこが魅力的なのだろうか。
まずディスプレイが大きく、高精細なことだ。大手3キャリアの今年秋冬モデルでは、約20機種のAndroidスマートフォンが4インチ以上のディスプレイを備え、10機種近くが1280×720と高い解像度を持つ。一方のiPhone 4Sのディスプレイは3.5インチで、解像度は960×640しかない。
中でもNTTドコモが先週発売した、Android最新版4.0の搭載機「Galaxy Nexus」は、ディスプレイが4.7インチで、iPhone 4Sと比べて約1.8倍の面積がある。解像度は1280×720で1.5倍。つまり1つの画面で1.5倍の情報をより大きく見られるのだ。Webページやメールを見たり、様々なアプリを使ったりするとき、画面サイズは利便性を大きく左右する。もちろん、手が小さくて大画面は操作しづらいという人に向けたAndroidスマートフォンも豊富に発売されている。
ほかにもAndroidスマートフォンの優位点は多い。都心近くに住むユーザーには、LTE(Long Term Evolution)やWiMAXなどの高速通信にいち早く対応することが大きな魅力だ。現在の3Gネットワークは、どのキャリアも混雑している。携帯電話売り場で体験すると分かるが、高速通信対応機は極めてレスポンスが早く、とても快適だ。
さらにAndroidスマートフォンは「おサイフケータイ」も、PCなどをインターネットにつなげる「テザリング」も使える。画面タッチへの反応など、基本的な操作性では先駆者のiPhone 4Sが勝るといえるが、各ユーザーが「ぜひ欲しい機能」で選んだ結果が、これまでの市場シェアに現れているのだろう。