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馬場史郎 今日の一言 2011年版

“SEあがりの営業がぶつかる壁”の理解がSEを変える

2011/11/29

 前回、前々回と“SEの営業との闘い方”について書いたが、予想以上に読者からのアクセスが多く、驚いている。きっと多くの読者のみなさんが営業とSEの関係や協業の在り方について関心が高いのだと思う。

 筆者は本連載の『“営業との関係というもの”の理解がSEを変える』で「日本のIT企業では往々にして営業とSEの協業がうまく行っていない。特に販売・提案活動時にそれが顕著である。だが、IT企業はおおよそSEの『対顧客関係』について指導や教育をしているが、『対営業関係』についてはほとんど何もやっていない。せいぜい『SEはもっとビジネス意識を持て』と号令をかける程度である。また、雑誌や書物などでも拙書『SEを極める』を除いてほとんど論じられていない」と書いた。どうもこれは想像以上のようである。これをきっかけに多くのIT企業の方々が営業とSEの関係や協業の在り方について真正面から取り組んで頂ければ幸である。

 そこで今回はその関心の高さに鑑み、“あること”を書いてみたい。それは「もしSEが営業に転向したら、どんな壁にぶつかるか」という話だ。SEにとっては割と身近なテーマなので、営業というものをより理解できると思う。SEの方は「もし自分が営業になったら」という視点で考えながら読んでほしい。きっとSEの世界にいるだけでは分からない営業の一面が見えてくるはずである。それが営業との良い関係作りに役立つと信じている。

頑張ってもなかなか乗り越えられない2つの壁

 IT企業にはSEから営業になった人が結構いる。きっと彼ら/彼女らは「サービスビジネス時代の営業はシステム開発やプロジェクト管理が分からないとダメだ。できるSEを営業にシフトしたい」などという会社の方針や、自分自身が「営業に使われるのは面白くない。自分でも営業ができそうだ」と考えて営業に転向したのだと思う。

 だが、彼ら/彼女らが実際に営業の世界に入って仕事を始めると、覚悟していたとはいえ、販売活動の難しさ、営業を見る顧客の目の厳しさ、ビジネス目標達成に対するプレッシャー、社内関係部門との交渉の難しさなどを改めて知る。そこにはSE時代にある程度予想していたことや全く予想もしていなかったことなど色々あるはずだ。

 そして、全く予想もしなかったことに出くわすと、彼ら/彼女らは驚き、戸惑い、悩むが、それを乗り越えて一人前の営業になるべく努力する。だが、頑張ればすべて乗り越えられるかというと、道はそう平坦ではない。そこには「頑張ってもなかなか乗り越えられない壁」がある。SE時代にそれが分からずに営業になって苦労している人は少なくない。

 では、それは何かだが、主たる壁は2つある。1つは「営業とSEの思考の違い」、もう1つは「顧客の見る目の違い」である。多くの営業と仕事をした経験から筆者はそう考えている。以下、それについて説明する。

>>SEあがりの営業は「売る執念」が希薄
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著者プロフィール

馬場史郎(ばばしろう)
 IBMおよびユーザー時代を通じて一貫してSEにこだわり、業界の先輩としてSEなどIT プロフェショナルに向けた助言や提言をつづる。現在、執筆や講演やSEのあり方の相談に乗るなどの諸活動を行う。著書に「新版 SEを極める50の鉄則 入門編」「同マネジメント編」などがある。過去のWatcher連載は「馬場史郎 今日の一言 2010年版」「ITプロに贈る“今日の一言”」「SE問答」。

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