バブル世代だけど、スマートフォンの波にはいち早く乗ったし、TwitterやFacebookもそこそこ使っている。コンシューマ化するITの活用でも、まだまだ時代に取り残されていない――。

 何を隠そう、著者はこの3年ほど、ずっとこのように思ってきた。20数年前からパソコンを使っているので当然ながら若い世代とは年季が違うし、タブレット端末にもすぐに飛び付くなどいまだに先頭を走っている。このように、自分だけは若いつもりで、IT利活用の先駆者を気取っていたが、最近は考えを改めつつある。実は時代に取り残されつつあるのではないか、若い世代とは意識の及びにくいところでITの使いこなしに差があるのではないかと。

 確かに、パソコンやスマートフォンといったデバイスの操作法ではまだ負けてはいないと思う。しかし、無意識に、あるいは自然体で使いこなせているかというと、かなり自信がなくなってきた。

 自信が揺らいだきっかけは、取材の一環として、会社のPC上で動画を見続けたときに感じた違和感だった。取材のための参考資料として、とあるビデオを見続ける必要があり、それを会社のPC上で行うことに違和感を拭えなかった。昼間から会社のPCでビデオを見ていると暇な人と思われるんじゃないかとか、そうであれば自宅に帰ってから見るべきじゃないのかという思いが湧いてきて、長時間見続けることにちょっとした罪悪感すら感じてしまった。

 また、TwitterやFacebookにおいても、それらの画面を会社のPC上で堂々と開くことに依然として抵抗を感じる。ソーシャルメディアのビジネスへの影響を考えながらも、会社のPCからTwitterやFacebookに書き込むことにいまだに躊躇してしまう。

 こうした、IT利活用での漠然とした違和感こそが、時代に乗り遅れ始めた兆候ではないだろうか。著者の周りの若い世代は、これまで述べたような行動に比較的抵抗がないように思える。会社でもYouTubeを見て、Twitterで頻繁につぶやく。こうした活動が、情報収集や共有という点でビジネスに貢献しているのなら、著者よりも柔軟にITを使いこなしているといえるだろう。