1990年代前半にフジテレビで放映されていた「平成教育委員会」を覚えていますか。小中学校の様々な教科から問題が出題され、それに芸能人、スポーツ選手、大学教授などが回答するクイズ番組です。大人なら誰でも知っていると思われるような易しい問題を間違える解答者がいたり、小中学校でこんなことを勉強するのだろうかと思われるような難しい問題が出題されたりして、意外性を楽しめる番組でした。今回は、平成23年度春期情報処理技術者試験(実施日が変更されたため特別試験とも呼ばれます)の問題を題材にして「クイズIT教育委員会」をやってみましょう。
クイズIT教育委員会の問題の出典として情報処理技術者試験を選んだのは、問題の内容が学問ぽいからです。情報処理技術者試験は、国家試験なので、特定のメーカーの製品に関する問題や、一部の現場でしか使われないような用語は登場しません。そのため、いかにも学問ぽいのです。
情報処理技術者試験には、いくつかの試験区分があり、経済産業省が定めているITスキル標準のレベルに対応しています。今回は、レベル1のITパスポート試験、レベル2の基本情報技術者試験、およびレベル3の応用情報技術者試験から、テクノロジ系の問題を3問、マネジメント系とストラテジ系の問題を各1問ずつ出題します。
実際の試験の合格点は60%以上の正解なので、ここでは各試験区分とも3問以上の正解で合格としましょう。「ITパスポートなら全問正解できる」「基本情報なんて簡単だ」「応用情報だって60%ならいける」と思っているかもしれませんが、意外と難しい問題もありますよ。
レベル | スキル | 判定の目安 |
---|---|---|
7 | 国内かつ世界で通用する上級技術者 | 業務経験等で判定 |
6 | 国内の上級技術者 | 業務経験等で判定 |
5 | 企業内の上級技術者 | 業務経験等で判定 |
4 | 高度な知識と技能を持つ技術者 | 各種の高度試験に合格 |
3 | 応用的な知識と技能を持つ技術者 | 応用情報技術者試験に合格 |
2 | 基本的な知識と技能を持つ技術者 | 基本情報技術者試験に合格 |
1 | 最低限求められる基礎知識を持つ技術者 | ITパスポート試験に合格 |
実際の平成教育委員会では、司会者が回答者のことを「○○君」と呼んで生徒のように扱い、答案を開くときに「○○君の答え」というナレーションが入りました。ちょっと雰囲気を真似てみましょう。このページを見ている△△君、以下の問題に答えなさい。
ITパスポート試験
テクノロジ系の問題[1]
企業のネットワークにおけるDMZの設置目的として、最も適切なものはどれか。
ア Webサーバやメールサーバなど、社外に公開したいサーバを、社内のネットワークから隔離する。
イ グローバルIPアドレスをプライベートIPアドレスに変換する。
ウ 通信経路上にあるウイルスを除去する。
エ 通信経路を暗号化して、仮想的に専用回線で接続されている状態を作り出す。