写真1●左はキーボード着脱式のAndorid搭載タブレット、右はUSBブートでChrome OSが動いているネットブック
写真1●左はキーボード着脱式のAndorid搭載タブレット、右はUSBブートでChrome OSが動いているネットブック
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 少し前まで、TPOに応じてこんなにたくさんのモバイル端末を使い分けることになろうとは夢にも思わなかった。今使っているものを机上に並べてみると、毎晩眠りに落ちるまで使うiPod touch、居間でのだんらんやサクっと情報を探すときに役立つiPad、出先での記事投稿やプレゼンなどに使うネットブック、長旅のお供のKindle、それに昔ながらの携帯電話など。スマートフォンはまだ使っていないが、通話料と通信料がもっと安くなったら利用に踏み切るかもしれない。

 モバイル端末の多様化はとどまるところを知らない(写真1)。例えば、ついこの間までタブレットといえばiPadに代表される「一枚板」を思い浮かべた。ところが、Android 3.0のリリースに前後して型破りな形状の製品が次々に登場した。また、ほぼ同時期に、海外ではWeb専用ノート機「Chromebook」が発売され関心を集めている。この製品は約8秒の高速起動が売り。Webブラウザー上でWebアプリケーションのみを利用するという点で、従来のモバイル端末と大きく異なる。

タブレットかノートか

写真2●ASUSTeKのEee Pad Transformer TF101
写真2●ASUSTeKのEee Pad Transformer TF101
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 いま最も注目している製品は、台湾ASUSTeK Computerの「Eee Pad Transformer TF101」。これはキーボード着脱式のAndroid 3.0搭載タブレット端末である(写真2)。外出先でのプレゼンやビデオ再生ではタブレット型、資料作成などのデスクワーク時はノート型というように場面に応じて使い分ける。ノート型にした場合は、折りたたんで持ち運べる。バッテリーをタブレット本体とキーボードの両方に内蔵しており、カタログ値で合計約16時間ものバッテリー駆動が可能。10.1型液晶タッチパネルを搭載する。

写真3●NEC LifeTouch NOTE
写真3●NEC LifeTouch NOTE
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 もう一つは、NECのスマートブック「LifeTouch NOTE」。見かけは小型・軽量(約699g)のネットブックといった風情で、7型液晶タッチパネルとキーボードを備える(写真3)。Android 2.2を搭載し、カタログ値で約9時間のバッテリー駆動が可能。スマートフォンのように起動したまま持ち歩いて、ディスプレイを開けばすぐに使え、ネットブックのような操作性も兼備するというのが売りである。

写真4●NEC LifeTouch W
写真4●NEC LifeTouch W
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 NECにはもう一つ変わり種の製品がある。7型液晶タッチパネルを2面備えたAndroid 2.2搭載タブレット端末「LifeTouch W」である。本を見開きにしたような形で画面を操作する(写真4)。例えば、左の画面に製品の概要、右の画面に仕様を表示したり、2画面を合わせて一つのWebページを表示するといったことができる。重さは約530gと軽量。本を閉じるように折りたたんで持ち運ぶ。用途としては電子書籍リーダーや業務用端末、学習用端末などを想定している。

写真5●富士通のFMV-LIFEBOOK TH40/D
写真5●富士通のFMV-LIFEBOOK TH40/D
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 一方、スレートPC(タブレットPC)の分野でも型破りな形状の製品が登場している。例えば、富士通の「FMV-LIFEBOOK TH40/D」は、10.1型液晶タッチパネルとキーボードを備えたWindows 7搭載機。ディスプレイを奥にずらすとせり上がり、キーボードが現れてノートPCに変身する(写真5)。タブレット状態時の厚さは約17.4mm、重さは約1.1kgで薄型・軽量。なお、ASUSTeKが開発中の「Eee Pad Slider」も同様の形状、使い方となるが、こちらはAndroid搭載機である。