携帯電話業界の話題の中心といえば、スマートフォンである。ただ、そうはいっても現時点では従来型携帯電話のユーザー数の方が圧倒的に多く、NTTドコモだけでも数千万規模のマーケットが存在する。そしてこのマーケットに向けたモバイルアプリケーションが、iアプリに代表されるJavaアプリだ。

 最近は、Java言語で開発されたモバイルアプリとして、Andorid向けのアプリを思い浮かべる人がいるかもしれない。もちろん、Androidの開発環境がJavaの標準パッケージをすべてサポートしているわけではなく、バーチャルマシンも独自であるため、「Java」とひとくくりにしてしまうのは語弊があるかもしれない。だが少なくとも開発にはJava言語を用いることができるため、iアプリなど携帯Javaアプリの開発者にとって、iPhoneよりもAndroidを身近に感じているのは確かだ。

 携帯Javaアプリがターゲットとする従来型携帯電話が、すぐにスマートフォンに取って代わられるわけではないが、今後販売される携帯電話の機種はスマートフォンがますます増えていく。スマートフォンが主流になることがほぼ見えている状況のなか、iアプリに代表されるJavaアプリはどうなっていくのだろうか。

Ustream.tvで現役iアプリ開発者交えて議論

 こうした問題意識を多くの現役Javaアプリ開発者が持っている。そこで、「iアプリ・アドバンスアワード」表彰式(関連記事)前日の2月27日、前夜祭企画として「どうするどうなる!? Javaアプリ」と題した座談会を行った。この模様は、Ustream.tvでインターネット中継した。中継の録画はUstream.tvのiアプリ・アドバンスアワード チャンネルで視聴できる。

 この座談会には、iアプリ黎明期から当事者として各種施策にかかわってきたNTTドコモの山田和宏氏、著名なブロガーでオープンソース開発者の小飼弾氏、開発者の交流の場として「Bar Android」(関連記事)の運営に携わり、自らもAndroidアプリ開発者であるkabayan氏、クラウド関連の専門家として著名なデロイト トーマツ コンサルティング パートナーの八子知礼氏、XboxのKinectコントローラーをハックしてAndroidを接続したことで海外メディアにも紹介されたSIPropのhirotakaster氏が参加。

 さらにiアプリの現役開発者として、「iTiltRenz」などの作者であり中学生時代からiアプリを開発してきた現役大学生である千氏、数百万ダウンロードの記録を持つiアプリ開発者であるテンクロスの塚田典和氏と豊田大樹氏に参加いただいた。司会・進行はmamononewsの名でAndroid関連ニュースを発信するマモノ氏(表の顔はiPhone、iアプリ、Androidアプリなどの企画に携わる)にお願いした。

 これだけ“濃い”参加者の間で、どのようなやりとりがされたのか。大きく分けると次の3点になる。(1)これからガラケーはどうなるか、(2)iアプリ開発者はスマートフォンアプリ開発者になれるか、(3)スマートフォン時代のJavaアプリはどうなるか――である。