最近、ある知人からFacebook(フェイスブック)のチャットでこんな問い合わせが来た。

 「これまでmixi(ミクシィ)を使っていたけど、最近はFacebookがはやっているらしい。とりあえず登録してみたが、いまいち使い方が分からない。自分が書き込んだ文章・写真などがどこまで公開されるのか、よく分からない」

 筆者もさほどFacebookを使いこなしているわけではないので、的確なアドバイスはできなかったが、こう返事した。

 「mixiもFacebookもSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)だという点では一緒で、使い方も似ている部分が多い。ただし、mixiは書き込んだ文章・写真を見せたい人に見せるという設計だが、Facebookは原則として書き込んだ情報は広く見てもらおうという設計思想になっている。きちんと仕組みを理解するまでは、Facebookでは込み入った話題や、個人的な写真は投稿しない方がいいと思う」

 さらにその知人からは「そもそもこのチャット自体はどこかに公開されるのか」と聞かれた。筆者は即答できず、「ひょっとしたらどこかで公開されるかもしれないので、やはり、仕組みをよく理解するまでは注意した方がいい」と答えた。後で調べてみると、やはりFacebookでは、システム不具合などのために、非公開設定のチャットが公開されてしまったことがあるようだ。

Facebookでは積極的に実名・顔写真を公開

 インターネット調査大手マクロミルが実施した実態調査によると、国内のFacebook利用者で実名登録している人は8割に上るそうだ(関連記事)。筆者の実感としても、同じ人がmixiではペンネームを使い自分の顔写真を登録していないのに、Facebookでは実名・顔写真とも登録しているケースが多い。両方を使い分けている人もいるが、mixiからFacebookへと移行し、もっぱら実名の世界で情報公開する人も増えた。

 さらにFacebookには、写真を投稿する時に、誰が写っているかを「タグ付け」する機能がある。写真を投稿する人は「左の人はAさん」「右の人はBさん」とタグ付けすることができる。この写真を見る別の人が顔の部分にマウスカーソルを当てると、その人が誰かが一目で分かるという仕組みである。

 この機能は割と使われているようだ。「普段はおとなしい人が飲み会ではしゃいでいる」といった知人の意外な素顔が見られるのは確かに興味深い。ただし筆者の感覚では、自分の名前付き顔写真を意図しない形でネット上に「公開」されてしまうのは、ちょっと危ういようにも思える。