写真●2010年12月1日に記者が購入した4Gバイトのメモリーモジュール。台湾Silicon-Power Computer & Communicationsの製品である
写真●2010年12月1日に記者が購入した4Gバイトのメモリーモジュール。台湾Silicon-Power Computer & Communicationsの製品である
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 4Gバイト・メモリーモジュールの価格低下が著しい。2009年9月に記者がノートパソコン用の4GバイトDDR2メモリーを秋葉原のパソコンパーツ販売店で購入した時は、4Gバイトが1万6900円だったから、1Gバイト4225円だった。それが今では、4GバイトDDR3メモリーが3980円で買える。1Gバイトが1000円を割ってしまったわけだ。1年4カ月で4分の1の価格になってしまった。

 デスクトップ用はさらに安い。記者は販売店Webサイトの価格を注視しつつ、2010年12月1日に4GバイトDDR3メモリー3本セットを1万3740円で購入した(写真)。1本4490円、1Gバイト1113円で、まあいいだろうと思ったのだ。ところがその後も価格はどんどん下がり、今では同じパッケージが9270円。3割下がって1Gバイトが773円である。悔しいので、もう1パッケージ買って平均購入価格を下げようかと思ったが、株券のように売却益が見込めるものでもないのでやめた。

 購入したデスクトップ用の4Gバイト×3本は、2009年1月から使っているCore i7-920のサーバーに装着した。これまで2Gバイト×6本で12Gバイトだったが、今回18Gバイトになった。Windows Server 2008 R2でHyper-Vを使っているので、仮想マシン1台に割り当てるメモリーを広げることができ、快適である。

8Gバイトモジュールで32Gバイトや48Gバイトが視野に

 そんなことをしているうちに、米Intelのマザーボード製品「DX58OG」と「DX58SO2」が店頭に並び始めた。X58チップセットを搭載したメモリースロット6本を持つマザーボードなのだが、仕様を見ると、なんと最大メモリー容量が48Gバイトであるという。8Gバイトモジュールを6本搭載することを想定しているわけだ。

 2011年1月5日には、米Intelがデスクトップ/ノートパソコン向け新プロセッサを発表した。「Sandy Bridge」というコード名で呼ばれていたもので、具体的な製品名はCore i7-2600などだ。それに対応したLGA1155ソケットを持つマザーボードが、米Intelのほか、台湾ASUSTeK Computer、台湾GIGA-BYTE TECHNOLOGY、台湾MSI(Micro-Star International)などから一斉に発表された。そうしたマザーボードの仕様を見ても、メモリースロット4本で最大メモリー容量が32Gバイトと書いてあるものが多い。

 こう見ると、マザーボードメーカーは既に8Gバイトモジュールのテストを終えているようだ。ユーザーの需要次第で8Gバイトモジュールの流通が始まるだろう。2011年から2012年にかけて、個人のパソコンであっても、メモリーを32Gバイト、48Gバイト搭載することが可能になりそうだ。

 ここまでは自作ユーザー向けのマザーボードの話を書いてきたが、一般ユーザーが購入するパソコンはどうだろうか。1月18日にインテルが開催したイベントで日本ヒューレット・パッカードが配布した、家庭向け2011年春モデルのカタログを見てみよう。ノートパソコンは9製品あり、Atom N550を積んだネットブック(Mini 110-3500、最大メモリー容量1Gバイト)を除くと、標準搭載メモリー容量は2G~8Gバイト、最大メモリー容量は8Gバイトである。ネットブックを除くと、プリインストールされるWindowsは64ビット版だ。デスクトップは11製品あり、メモリーは標準4G~12Gバイト、最大8G~16Gバイト。プリインストールされるWindowsはすべて64ビット版だが、製品によっては、リカバリメディアを使って32ビット版にすることができるものもある。大きく見ると、一般ユーザーであっても、これから使うWindowsパソコンは64ビットのものになりそうだ。