日経NETWORK 8月号では、特集記事「こうして私はIT資格を取った」を掲載した。この特集では、ハイレベルなIT資格を取得した技術者にインタビューし、その勉強法や効果的な受験方法についてまとめている。過去にも何度かIT資格に関する記事を掲載しているが、今回は勉強法そのものがテーマである。10月に実施される情報処理技術者試験の一つ、“ネスペ”の略称でも知られる「ネットワークスペシャリスト試験」を話題の中心に据えている。

 ご存知の方も多いと思うが、ネットワークスペシャリスト試験の合格を目標にして勉強に励むネットワーク技術者は非常に多い。そうした方々がどのような思いで自身を高めているのか――彼らのその姿勢に学ぶことが多い取材であった。

 さて、ここからは誌面に掲載しきれなかったこぼれ話を二つほどお話ししたい。

女性が高得点を取れる試験?

 まずは受験者の「傾向」についての話だ。

 ネットワークスペシャリスト試験は大きく分けて、午前中に行われる試験と午後に行われる試験から構成される。それぞれの試験はさらにIとIIに分かれている。つまり合計で4種類の試験があり、そのすべてで合格基準点を取らないといけない。午前試験は四肢択一式、午後試験は記述式の出題形式になっている。

 午後試験の記述式問題は、ストーリー仕立ての長文を読み、想定したネットワークにおいてどのような問題点があるかなどを考え、制限文字数でその解答を記述するというものが中心だ。長文を読みこなし、そこから問題点を抽出できるかどうかが試される。

 ネットワークスペシャリスト試験に長年かかわりを持ってきたある方は、「受験者のうち、男性は午前試験が得意で、女性は午後試験が得意という傾向がみられる」と話していた。男性は技術用語の選択や計算問題で高得点を取る傾向があるという。一方、女性の脳は男性のそれと比べて言語能力に優れるなどという考え方もあるようなので、そのことと午後試験に強いことに関係性があるのかもしれない。

 この話をうかがった方の実感を信じるならば、ネットワークスペシャリスト試験はぜひ女性にも目を向けてもらいたい試験だと思う。なぜなら、ネットワークスペシャリスト試験は、午後試験が合格の成否を分けるといわれるからだ。巷で売られている受験対策本のほとんどは、午後試験の学習に重きを置いたものになっている。「午後試験で高得点を取れるのならば、まず午前試験は問題なくパスできるだろう」と前述の方は話している。

 ちなみに日経NETWORKではこの春から数回、ネットワークコマンドのセミナーを行った。東京の代々木に会場を借り、朝から夕方まで、初歩的なネットワークコマンドの使い方をレクチャーするというものだった。各回約60人程度の受講者なのだが、各回とも女性の受講者が5~6人くらいいた。実施した私たちも女性比率の高さに驚いた。もしかしたら今後、女性のネットワーク技術者は増えていくかもしれない。